Column 152
2022/05/01 18:00
人間には五感があります。すなわち、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五つです。そのうち脳が最も早く反応するのが嗅覚です1)。触覚では反応があってから脳で処理するまでに1秒程度かかるのに対して、嗅覚では匂いを嗅いでから0.2秒で脳が反応すると考えられています。
12ある脳神経のうち、嗅覚は第1脳神経である嗅神経で知覚します。第2脳神経が視神経です。哺乳類をはじめとする動物は、遥か遠くの風上から流れてくる臭いで最初に敵や獲物の存在を察知します。次にそれが目に見える距離まで接近してから行動を開始します。
第3脳神経は眼球を動かす動眼神経、第4脳神経は眼球を斜め上に動かす滑車神経、第5脳神経は顔面の知覚を司る三叉神経、第6脳神経は眼球を外方に動かす外転神経です。敵や獲物が目に見えてから、次々に眼を動かす神経が連携して働き相手までの距離を測り、周辺の障害物などの情報を瞬時に認識します。このように、嗅覚は脳の反応のファーストステップになります。
匂いを嗅いでから0.2秒で脳が反応することによって、腐った食物や有毒なものを口に入れる前に排除することができます。この瞬時の嗅神経の反応によって、日々のストレスをリセットしたり、集中力を一気に高めたりすることが、感性アナライザを用いた研究で明らかにされています1)。
人間の五感のうち、嗅覚は他の哺乳類に比べてかなり劣っています。例えば犬の嗅覚は人間の数千倍から1億倍優れていると言われています)。人間の場合、この劣った嗅覚でも、香りにタグ付けをして脳に学習させることで、ライフスタイルに香りを活用させることが可能になっています。
様々なフレグランスを用いて、「ここぞ!」という時に必ず嗅ぐ香りには「勝負フレグランス」といったタグをつけて脳に学習させると、脳が活性化して能力アップが図られるといった具合です。このような香りや匂いを日常生活で活用すれば、考える間もなく脳が反応してくれることになります。なんと言っても香りをキャッチするのは第1脳神経ですから。
引用
https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/column/00024/013100001/?P=3
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