Column 111
2021/12/07 18:00
「オノマトペ」という言葉を聞いたことがありますか?
オノマトペとは、さまざまな状態や動きなどを音で表現した言葉のこと1)です。擬音語・擬態語ともいいますが、日本語はとくにオノマトペが多く用いられる言語といわれています。言語学者の金田一春彦2)はさらに「擬声語」「擬音語」「擬態語」「擬容語」「擬情語の5つに分類しています3」。
犬がワンワン、友達とペチャクチャは「擬声語」、雨がザーザー、雷がゴロゴロは「擬音語」、宝石がキラキラ、お肌がツルツルは「擬態語」、道をうろうろ、車がノロノロは「擬容語」、渋滞にイライラ、期待にワクワクは「擬情語」などです3)。
オノマトペの語源は古代ギリシャ語のオノマトポイーア(onomatopoiia)に由来します1)。名前(onoma)と作る(poiein)という言葉が融合して、言葉を作る(オノマトポイーア)という言葉が生まれました。英語ではオノマトピア(onomatopoeia)、フランス語ではオノマトペ(onomatopee)という言葉になりました。
オノマトペは便利な言葉です。弱い雨なら「シトシト」、激しい雨なら「ザーザー」といったオノマトペを使用すると、どのような状態であるのかをイメージしやすく、長々と説明する必要がなく簡潔に伝えることができるというメリットもあります。クリニックでの診察でも、「お腹がシクシク」「頭がズキズキ」「胸がバクバク」など病状を説明するのには欠かせません。
オノマトペは感覚に働きかけて簡潔に伝わるため、若者言葉にも多く使われています。「あの先輩、オラついていて怖い」などは、「オラオラ」という高圧的な態度をもとに「オラつく」という表現が出来ました。院長コラムも、後から徐々に「じわじわ」と面白さがこみ上げてくるように、「ジワる」コラムにしなければなりません。
引用
1)https://www.weblio.jp/content/オノマトペ
2)https://ja.wikipedia.org/wiki/金田一春彦
3)https://www2.ninjal.ac.jp/Onomatope/column/nihongo_1.html
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