ロゴ_sp

2021/08/31 18:00

Column83:ガチャガチャ・ウォークマン
院長ブログ

 1988年の夏、同級生のA君一家と我が家の2家族でニューヨーク(NY)見物に出かけたときのことです。両家族ともにオハイオ州に留学中でした。

 A君は、中西部のオハイオ州からアパラチア山脈を越えて、12時間のドライブをものともせず、NYまで来ていました。私はそのようなパワーはなく、飛行機でNYに着きレンタカーの予定にしていましたが、A君から「一緒に回ろうや」ということになり、2家族でのNY観光が始まりました。

 貧乏な日本人留学生の家族旅行ですから、有名レストランで優雅に食事をとることもなく、リムジンで美術館に横付けすることもなく、旅の案内本「地球の歩き方」に載っている「名所」を少しずつ「満喫」して回りました。

今思えば、30歳前半の体力と厚顔無恥なアジアの集団という観光旅行でした。

昨今の中国人のように金持ちでもなく、英語も不自由な、ハンディキャップト・パーソンズ の一行でした。

 真昼のNYは日差しが強く、A君の息子さんがファンタジュースを飲みたいと言ったので、私が自動販売機を探しにいきました。

歩道を歩く人通りは多く、明るいNYの昼下がりといった映画のような都会の風景でした。その人波の中に、頭二つ分くらい背の高い身長2mはあろうかと黒人がこちらに向かって来るのが見えたのです。

両手はダラリと下げ、片手にはスーパーの買い物袋をつかみ、中では複数の空き瓶がぶつかる音がガチャガチャ聞こえてきました。

 当時、すれ違いざまに袋を落としては瓶が割れたと因縁をつけられる被害を聞いたことがあったので、とっさに「こいつだ!」と思いました。

ぶつかってはたまらないので、歩道の反対側に避けると、バスケット選手のような身のこなしで「スッ」と近寄ってきました。これはたまらぬと、避けた瞬間でした。

「ガチャン!」と瓶類が割れる音がして、彼と目が合ったのです。「ノー、ノー、俺はぶつかっていない」と言ったかどうか、遠ざかりながら歩く速度を上げました。

彼はスローモーションのように割れた瓶の入った袋を拾い上げると、私の倍はあろうかという歩幅で追いかけてきたのです。

 「これは、やばい!」と思って前方を見た途端、私の足がすくみました。その方向から、妻が4歳の息子を連れて、「楽しそうに」私の方に向かって近づいているではありませんか。

「ダメだ、ダメだ、戻れ、戻れ!」と、顔を振り、手を振って、合図を送ったのです。

妻も私に迫っている大男にすぐに気づき、歩道沿いの店舗へ入るように誘導しました。最初はケーキ屋でしたが、奥行きが狭くてダメ!次に飛び込んだのが、大型ジーパン店でした。

 店に飛び込んですぐに、大男も追いついて入ってきました。私が、ジーパンの列を回り、彼を振り切ろうとしたときです。

「出て行け、出て行け、マッド・ガイ野郎!」と店員達の一斉コールが起こりました。大男はジーパンの列をはさんで私と向き合うと、「スーッ!」と黒く長い手を伸ばしてきました。

「あぁ、これは殴られる」と思って、観念したときです。その大男は私に「握手」をして、店から走り去りました。

 私は「その手」を洗いたくてたまらず、2家族の一行は、急いで現場を離れて、一路NYを南下しました。

辿り着いたのは、2頭の騎馬警官が頼もしげなワシントン広場。

アメリカ合衆国、ニューヨーク市マンハッタン区南部、グリニジ・ビレッジの中心にある広場。 五番街の起点にあたる。 1893年に
初代大統領ジョージ・ワシントンの就任100年を記念して建設され、大理石のワシントン・アーチがシンボルとなっている。

ワシントン・スクエアとは – コトバンク

昼なお暗いそこのトイレでゴシゴシ手を洗っていると、「イェーイ!」という野太い声が後方から聞こえてきました。恐る恐る振り返ると、すべての仕切りを取り払った便所の一番奥の暗闇で、二つの「目」だけが光っているではありませんか。

ここからも、すっ飛んで逃げ出し、私たち一行はどこか安全な場所へと急発進しました。

 見上げると2棟のワールドトレードセンター(WTC)が青空へ向かって屹立していました。「あそこに行こう!せっかくNYに来たのだからNYの眺望を見に行こう」と、WTCの展望台に向かったのです。

 あれから33年経ちました。グランドゼロの映像が映し出される度に、エレベーターの故障でWTCに上れなかったことと、大男に追いかけられたことを思い出します。

Column90:ブラックスワン
Column90:ブラックスワン
2021/09/26 20:00
Column84:ビートルズとCTスキャン
Column84:ビートルズとCTスキャン
2021/09/05 19:00
Column79:愛犬リョーマが認知症になった!
Column79:愛犬リョーマが認知症になった!
2021/08/03 18:00
Column90:ブラックスワン

2021/09/26 20:00

Column90:ブラックスワン

Column84:ビートルズとCTスキャン

2021/09/05 19:00

Column84:ビートルズとCTスキャン

Column79:愛犬リョーマが認知症になった!

2021/08/03 18:00

Column79:愛犬リョーマが認知症になった!

トップに戻る
credit-logo

当院は完全予約制です

ご予約・お問い合わせ先は下記の電話まで

credit-tel

〒810-0001
福岡市中央区天神1-9-17 福岡天神フコク生命ビル6F

credit-tel

〒810-0001 福岡市中央区天神1-9-17
福岡天神フコク生命ビル6F

 
 

©️ Nozaki Women's Clinic Allrights Reserved.