Column 256
2024/03/26 18:00
3月、日本では卒業式のシーズンですね。ところで、アメリカの卒業式は5月下旬から6月初旬にかけて行われることが一般的です。卒業式として催されるのは高校と大学が主ですが、体育館やスタジアム、屋外などの大規模な会場で実施されることが多いようです。
映画「卒業」は1967年のアメリカ映画です。サイモンとガーファンクルのメロディーが流れるこの映画は、当時中学生だった私にとっては今でも鮮明に記憶に残っています。「サウンド・オブ・サイレンス」、「ミセス・ロビンソン」や「スカボロー・フェア」など、いまだに色褪せることのない名曲が画像を引き立たせています。
映画「卒業」の原題は「The Graduate」です。Graduateは「グレード(Grade)」などと語源は同じで、「Grad-」というのは「歩み」や「段階」という意味を表しています。Gradually「徐々に、段々と」は「段階」を表します。グラデーション(Gradation)も段々と色が変わっていく様子や変化を表します。
また、Gradeには「学年」や「成績」という意味もあります。「成績がAだった」というときには、「グレードがAだった」と表現します。学年が上がったというときにも、グレードがアップしたと言います。パソコンの機能をアップグレードすると言いますが、これも「Up Grade」のことです。
ですから、「卒業」の「Graduate」は、「次の段階に進む」という意味があります。日本語の「卒業」は「終了する、修了する」というニュアンスが強いのですが、「次の段階に進んでこそ卒業」したことになるのです。大学を卒業した後に大学院へと進学する場合、大学院生は「Postgraduate」と言います。卒業「Graduate」の「あと=Post」という訳です。
「Grad-」と同じ語源をもつものに「-gress」があります。プログレス(Progress)は「前に=pro」歩むので「進歩」という意味です。コングレス(Congress)は「共に=con」歩むので「国会」という意味になります。
日本の国会も、次の段階に歩んで「卒業」しないといけませんね。
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