Column 280
2024/09/10 18:00
「ゼロ・グラビティ」は、アルフォンソ・キュアロン監督による2013年に公開されたSF・ヒューマン・サスペンス映画で、第70回ヴェネツィア国際映画祭のオープニング作品に選ばれました。原題は「グラビティ(重力)」です1)。
スペースシャトル「エクスプローラー号」で、ハッブル宇宙望遠鏡の修理作業を宇宙空間で船外活動を行なう宇宙飛行士達の様子から映画は幕を開けます。そこへ、膨大な量の宇宙ゴミが高速で接近し、船内に避難する彼らを襲います。
宇宙ゴミの衝突によって破壊されたエクスプローラー号を諦めた生存者2名は、国際宇宙ステーション(ISS)へと向かいます。すると、そのISSも破損しており、ISSのソユーズ宇宙船を利用して100km離れた中国の宇宙ステーション「天宮」へ向かうことになります。
その途中で、あるアクシデントにより生存者の1人が宇宙空間へと消えていきます。しかし、最後の生存者となった飛行士がほとんど希望を失いかけていた時に再び現れ、彼を励まして機械操作の指示と助言をするのでした。その時、朦朧とした意識がはっきりとし、飛行士は気付きます。それは仲間の幻だったのです。
宇宙空間へと消えた仲間の助言に従い、何とか「天宮」へと到達した最後の飛行士は、宇宙船「神舟」に乗り込み起動に成功します。「天宮」は「神舟」とともに大気圏に突入し、「神舟」は切り離されて湖に着水します。水中へ脱出した飛行士は泳いで陸に向かい、地球の重力を感じながら立ち上がります。
最後のシーン以外は全て重力のないゼロ・グラビティでの出来事です。無重力という状態がいかにコントロール困難であるかを教えてくれます。
人間はこれまで重力に逆らって、空を飛んだり、物を投げたり、陸を駆け抜けたりしてきましたが、地球の重力にも恩恵を受けていることに気づくきっかけとなる映画ですね。
引用・参考文献
1)https://ja.wikipedia.org/wiki/ゼロ・グラビティ_(映画)
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