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Column 242

2023/12/19 18:00

クリニック今年の漢字

今年の漢字

院長コラム

画像引用:NHK首都圏ナビ

  12月12日は漢字の日です。毎年この日に京都の清水寺で日本漢字能力検定協会の主催による今年の漢字が発表されます。2023年の今年の漢字は「税」でした。

 新型コロナウイルス感染症は、2023年5月8日から「新型インフルエンザ等感染症(2類相当)」から「5類感染症」になりました。これに伴ってクリニックでもパーティションを取り払いました。マスク着用のお願いは「理解」されていますが、空間の仕切りからは「解放」されました。

 屋外でのマスク着用やスポーツ観戦での声出し応援は「解禁」や「解除」されて、国民のストレスは「解消」していくように思えますが、新型コロナウイルス感染症の今後に関する「解析」や「解釈」についての「見解」に「解答」は未だありません。

 新型コロナウイルス感染症は5類になったとはいえ、未だに感染の広がりは続いており、高熱と喉の痛みを訴える患者さんが多いのも事実です。高熱を下げるには「解熱剤」を使います。「解熱」は「下熱」でもいいような気がしますが、「解」には「なくす」という意味があり、「解毒」という言葉もあります。

2022年2月24日のウクライナへのロシア侵攻(コラム136ひまわり)から1年10ヶ月が経とうとしていますが、「解決」に至る事態への発展はなく、終わりという「正解」は未だありません。

どこかズレている異次元の少子化対策、核廃絶を追求しつつ核の脅威に備え核抑止力を強化するというジレンマ、あいまいな内容のまま決まってしまったLGBT法案、マイナンバーカードの普及と健康保険証の廃止に決定打が出せない事態に、岸田政権への支持率が下がり、国会「解散」、総選挙が囁かれる日々。

以上から、今年のクリニックの漢字は「解」です。

解夏(げげ)という言葉があります。仏教用語で夏の一時期、僧たちが籠って行なう修行が明ける日のことを指す言葉です。迷いを抜けた瞬間に見る強い夏の光、そんな印象です。

「解夏」は2002年に刊行されたさだまさし著の小説で、ベーチェット病を発症した若者が次第に視力を失っていく過程の苦悩と、そこから立ち直っていく物語です。2004年には映画化されて、主人公の若者に大沢たかお、それを支える婚約者を石田ゆり子が演じています。

 2023年はようやくコロナ禍からの諸法度から「解禁」されましたが、「解夏」のように迷いを抜けた瞬間に見る強い夏の光のような一条の光は見えなかった2023年でした。

引用

1)https://ja.wikipedia.org/wiki/解夏

この記事を書いた人

野崎 雅裕
野崎 雅裕野崎ウイメンズクリニック 院長
福岡市天神の産婦人科、野崎ウイメンズクリニックの院長。女性医学の専門医として、九州大学病院などにおいて、思春期から更年期女性のホルモン療法や不妊治療、漢方療法、月経痛や女性のこころとからだの悩みに関する医療に長年従事。ホルモン療法やピルの使い方、月経痛の対処法や月経移動の説明にも精通した熟練スタッフとともに、すべての患者様へあたたかいケアを行っている。
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