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Column 199

2023/02/21 18:00

ウクライナからの患者さん

院長コラム

 ロシア軍がウクライナに侵攻してから1年が経とうとしています。当初は数日でウクライナのキーウ(旧名:キエフ)が陥落してロシア軍が圧倒的な軍事力を見せつけるのではないかと思われていましたが、ウクライナは西側諸国の援助と国民の粘りで祖国を守り抜いています。

 ウクライナの男性は祖国防衛のためにウクライナにとどまりロシアと戦っていますが、女性と子供たちはロシア軍から逃れるためにポーランドを始め、ヨーロッパ各地などへと避難しています。日本へも多くのウクライナ人が避難しており、2022年12月21日現在で東京都560名、神奈川県144名、大阪府155名、福岡県123名で、福岡県は全国4番目に多いようです1)。

 当院にもウクライナからの患者さんが来院されます。英語での診察が可能な施設という届け出を福岡市に提出していますので、そこから来院されたのではないかと思います。カタコトの英語と身振り手振りで診察ができる場合はあまり問題になりません。

 先日は英語も日本語もまったく通じないウクライナの女性が診察に来られました。同じウクライナ人の通訳がついて来られましたので、会話に支障はありませんでした。ところが、ウクライナから持参された検査所見や診断書などを見せられた時には困りました。

 英語の書類はわかるのですが、ウクライナ語の書類はロシア語のような綴りも多く混じっていて、ほとんど分かりません。通訳の女性に意味を尋ね、本人に確認して少しずつ問診を進めていきます。お互いにマスクをしていますので口元の微妙な動きも分かりません。

 福岡市には多くのウクライナ人通訳がボランティアとして活動しているようです。患者さんと通訳の組み合わせが何組か来院されましたが、いずれも違う通訳の女性が付いていました。

 外国の患者さんを見送る時には、“ Have a good day “と言うのですが、ウクライナ語が分からないので、「ゼレンスキー!」とガッツポーズです。

引用

1)https://www.moj.go.jp/isa/content/001373694.pdf

この記事を書いた人

野崎 雅裕
野崎 雅裕野崎ウイメンズクリニック 院長
福岡市天神の産婦人科、野崎ウイメンズクリニックの院長。女性医学の専門医として、九州大学病院などにおいて、思春期から更年期女性のホルモン療法や不妊治療、漢方療法、月経痛や女性のこころとからだの悩みに関する医療に長年従事。ホルモン療法やピルの使い方、月経痛の対処法や月経移動の説明にも精通した熟練スタッフとともに、すべての患者様へあたたかいケアを行っている。
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