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Column 129

2022/02/08 18:00

女性と漢方

院長コラム

 福岡市天神にある私のクリニックには、漢方薬による治療を求めて多くの女性が受診されます。月経不順、月経困難症、月経前症候群、冷え性、むくみ、頭痛、肩こり、めまい、肌荒れ、更年期障害、睡眠障害、などなど非常に多くの症状を訴えて来られます。

コラム109では、漢方治療における「気・血・水」「陰・陽」「証」のお話をしました。当院では、女性ホルモンのコントロールとともに、漢方薬による治療も多くおこなっています。女性における漢方治療は、その体質や症状によってはベストアンサーになります。

 しかしながら、中国唐代の代表的医書である千金方1)には、「女性の病気は男性の病気に比べて10倍治しにくい」と書いてあります。同じく中国の古典医学書である金匱要略2)には、「婦人の病気は虚に因って非常に冷えて、その冷えが身体の中に積もり、結気して、色々な病気が起こる」とあります。

 つまり、女性は男性と違って、「気・血・水」「陰・陽」「証」の組合せが複雑であり、そのことが原因で、「治しにくくて」「身体の中に積もりいろいろな病気が起こる」ということになります。

 女性が男性と異なる最大の特徴は、女性ホルモンの波による「月経周期」があるということです。そのために、1ヶ月の中でも調子の良いときもあれば、どんなに治療しても上手くいかないこともあるということになります。

 漢方薬も、西洋薬のように上手く組み合わせると良いことが多いようです。普段はこの漢方薬を使っておいて、排卵後は別の漢方薬を加えるとか、とくにイライラが強いときには頓服でさらに別の漢方薬を使用するなど、工夫次第では非常に頼もしい治療法になります。

 まだ漢方治療を経験したことがない方は、ぜひご相談ください。

引用

1)https://bit.ly/34mAgZq
2)https://bit.ly/3gdN2fv

この記事を書いた人

野崎 雅裕
野崎 雅裕野崎ウイメンズクリニック 院長
福岡市天神の産婦人科、野崎ウイメンズクリニックの院長。女性医学の専門医として、九州大学病院などにおいて、思春期から更年期女性のホルモン療法や不妊治療、漢方療法、月経痛や女性のこころとからだの悩みに関する医療に長年従事。ホルモン療法やピルの使い方、月経痛の対処法や月経移動の説明にも精通した熟練スタッフとともに、すべての患者様へあたたかいケアを行っている。
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