Column 98
2021/10/24 18:00
雨が降る前の日には、めまいを訴える患者さんが増えます。福岡市天神にある私のクリニックには更年期外来がありますが、更年期の症状の中でも、「めまい」「だるさ」「頭痛」は多くの女性が訴える症状です。雨が降る前の日というのは、低気圧が福岡市に接近中でこれから気圧が下がっていく日のことです。
患者さんには、「低気圧になるとめまいが起きませんか?」「天気が悪い日にだるくなりませんか?」「雨の日は頭痛がひどいですか?」と窓の外を指さして聞きます。そうすると、「そう言えばそうです」「ああ、そうです、そうです」と思い当たるようです。
天気の変化と病気の関係は昔から知られていて、気象の要素(気圧、温度、湿度、日照時間、降水量、雷、風など)から悪影響を受けるものを「気象病」と総称し、その中でも天気(気圧)が崩れるときに「慢性の痛み」や「めまい・だるさ」が増強するものを「天気痛」や「低気圧不調」と言います1)。
低気圧不調は、主に気圧の変化によって体内の水分バランスが乱れることで起こるとされています。それには、血管が拡張して神経が圧迫された起こる「頭痛」と、気圧の低下が内耳に作用して自律神経が乱れることで起こる「めまい・だるさ」などがあります。
体内に余分な水分が溜まることは、血管拡張や自律神経の乱れの原因となりますので、「むくみ」をとる漢方薬や「めまい」のときに血液の電解質バランスを改善する注射を使って治療します。「めまい」や「頭痛」のたびに受診するのも大変ですから、患者さんには天気予報で気圧が下がりそうなときには、前もって水分バランスに気をつけて、あらかじめ処方した漢方薬などを使うようにお話ししています。
引用
1)https://www.kobayashi.co.jp/brand/teirakku/mechanism.html
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