Column 142
2022/03/27 18:00
1999年7月、恐怖の大王は空から降ってきませんでした。16世紀、フランスの医師・占星術師であるノストラダムスは「予言集」で、1999年7の月に人類が滅亡するという解釈を掲載しました1)。日本では、1973年に五島 勉氏が「ノストラダムスの大予言」として発表しベストセラーになりました。
私は1973年には大学1年生でしたが、それから26年後に空から降ってくるのはミサイルか、公害による化学物質か、それとも宇宙からの侵略か、などと空想を膨らませていました。テレビ番組でも、人類滅亡の日は本当に1999年の7月なのか、かなりの盛り上がりを見せていたと思います。
その7月は何事もなく過ぎましたが、すぐに「西暦2000年問題」が起こりました。1940年代に開発されたコンピューターは西暦2000年を認識できないかもしれないために、2000年0時00分01秒になった瞬間に誤作動を起こすという問題です。
1999年12月、私は九大病院のスタッフとして勤務していました。コンピューターが組み込まれた器械という器械はすべてチェックして、誤作動が起こった時にはすぐに手動に切り替える準備をしていました。
、、、、、が、何も起こりませんでした。
「天災は忘れた頃にやって来る」
物理学者で随筆家の寺田寅彦2)の有名な言葉です。大正12年(1923年)のような地震(関東大震災)が、いつかは、おそらく数十年の後には再び東京を見舞うだろうということは、(中略)より多く合理的である。
寺田寅彦は、また「正しく恐れる」という警句3)を残しています。「ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむつかしい。」と記しています。
富士山は1707年の「宝永噴火」以来噴火していません。 一方で5,600年前から今までに噴火した回数は180回を超えていて、平均で30年に1回噴火していたことがわかっています。
改めて思い起こし、正しく恐れて、備えを尽くしたいものです。
引用
1)https://bit.ly/3pGuMkb
2)https://bit.ly/3vGYhGk
3)https://bit.ly/3MoycSr
©️ Nozaki Women's Clinic Allrights Reserved.
Designed by HARUNO design.