Column 137
2022/03/08 18:00
日本に近づいてくる台風の衛星画像をみると、台風の渦は左巻き、つまり「反時計回り」ですね。ところが、南半球の台風はサイクロンと呼ばれますが、サイクロンの渦は右巻き、つまり「時計回り」だということを知っていますか?
そうなんです。北半球と南半球では、台風のような低気圧の渦巻きの方向は逆なのです。台風の渦の回転方向は、地球の自転に影響されているのです1)。
地球は非常にゆっくり自転しているので、私たちが垂直にジャンプしても同じ位置に着地することができます。しかし極端な例ですが北半球において、地球の自転が速ければ垂直にジャンプした地点から離れた東側の場所に着地してしまうでしょう。これがコリオリ力(コリオリの力)と呼ばれるものです2)。
地球の北極を上にして、地球を真横からながめると、地球は東向きに自転しています。空気の流れである気流にも東向きのコリオリの力が常に加わっています。台風は巨大な低気圧で、周囲から中心に向かって風が吹き込んでいます。その風にも東向きの力が加わるために、台風の渦は左巻き(反時計回り)になります。
一方で、南半球では、地球の南極を上にして、地球を真横からながめると、地球は西向きに自転しています。つまり南半球では北半球とは反対に、常に西向きのコリオリの力が気流にも加わっています。そのために南半球での台風(サイクロン)の渦巻きは右巻き(時計回り)になります。
コリオリの力は、フランスの科学者コリオリが1835年に導き出しました3)。真北に向かって打った砲弾はコリオリの力によって右にずれるので、昔から補正が必要だったそうです。
引用
1)https://topic.life-ranger.jp/column/1463/
2)https://mikata.shingaku.mynavi.jp/article/45874/
3)https://ja.wikipedia.org/wiki/コリオリの力
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