Column 134
2022/02/27 18:00
「This is it」は、2009年に公開されたマイケル・ジャクソンのドキュメンタリー映画のタイトルです。2009年3月5日、マイケル・ジャクソンはロンドンでのコンサート公演「This is it」を行うと表明し、50公演の開催が予定されていましたが、6月25日にマイケルが急死したため、「This is it」のリハーサル映像を中心に構成されました1)。
リハーサル映像とは言え、キング・オブ・ポップスと呼ばれたマイケルの完璧なまでの芸術が散りばめられた作品となっています。マイケルが言いたかった「This is it」とは何でしょうか。
「This is it」を直訳すると「これはそれです。」となりますが、これでは何のことかわかりません。英語は主語が省かれることが少ない言語です2)。逆に日本語は「昨日行った?」のように主語が省かれることが多い言語です。そう考えると「This is it」は「それ」になります。
マイケルは、ロンドンの聴衆に向かって、「This is it!This is it!」と何度も繰り返します。「そう!それ!」「まさにこれ!」というニュアンスでしょうか。しかし、マイケルは「これがロンドンで最後のパフォーマンス!これが最後だと言ったら、本当に最後なんだ」と言っています3)。
そうすると、「まさにこれ!」よりも「これで最後だ!「これで終わりだ!」という意味の方が、2009年のマイケル・ジャクソン「this is it」のタイトルには合っています。マイケルの急死という悲劇がなかったら「this is it」のニュアンスも変わっていたかも知れません。
2021年公開の映画「007/ノー・タイム・トゥ・ダィ」4)の1シーンでは、ジェームス・ボンドが恋人のマドレーヌを駅で列車に乗せて決別するときに、マドレーヌが「This is it?」と言うと、ボンドが「This is it」と応えます。意訳すれば「これで終わり?」「そうだ!」という風になるのでしょう。
「This is it!」をいつの日か使いこなせるようになるでしょうか。
引用
1)https://bit.ly/340A9TQ
2)https://amba.to/3s3CXrg
3)https://bit.ly/3AMnDmz
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