Column 109
2021/11/30 18:00
福岡市天神にある野崎ウイメンズクリニックでは、女性ホルモンのコントロールとともに、漢方薬による治療も多くおこなっています。漢方薬といえば、難しい生薬の名前や聞き慣れない材料の組み合わせから、敬遠されがちなことも多いのですが、体質や症状によってはベストアンサーになります。
「気・血・水」は、漢方医学の基本的な考え方です。
「気」は生命活動を営む根源的なエネルギー、「血」は生体を物質的に支える赤色の液体、「水」は生体を物質的に支える無色の液体、を表します。「気虚」といえば元気のない状態、「気逆」といえばヒステリックな状態、「血虚」といえば血液が足りない状態、「水毒」といえば水が滞った状態、などなどです。
「気・血・水」に加えて、「陰・陽」も自然界の大切な概念です。
「陰と陽」は、「天と地」「夏と冬」「昼と夜」「日向と日陰」のように相対的な事象で、食べ物では「体を暖めるもの」「体を冷やすもの」に大別されます。また、病気も「熱が主体の病気」「寒が主体の病気」に分けられます。
その人の体質も、おおよそ3つに大別されます。
「実証」は、がっしりとして赤ら顔で便秘気味、「虚証」は、細くて冷え性でお腹が弱い、「中間証」は、それらの中間です。例えば、ミロのビーナスは実証タイプ、竹久夢二の美人画は虚証タイプ、と言うことになります。
漢方薬による治療は、これらの「気・血・水」「陰・陽」「証」を客観的に観察しながら、病状が寒気から発熱に至れば、陰から陽に変化したことを察知していきます。「気」が主な症状であれば、精神的なアプローチ、「水」の異常が疑われれば、脱水や浮腫の観察、というふうにリアルタイムで対応していきます。
「漢方薬は体質改善だから即効性がない」とか、「最低1ヶ月は服用しないと効き目が分からない」などと思っている人もいます。ところが、こむら返りに芍薬甘草湯、鼻アレルギーに小青竜湯、など30分で効果がある漢方薬も多いのです。その時の自分の、「気・血・水」「陰・陽」「証」がどうなのかを考えてみるのもいいことです。
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