Column 272
2024/07/16 18:00
手足口病が流行っています1)。手足口病とはなんでしょうか。英語では、Hand, Foot and Mouth Disease(HFMD)といいます。その名前のとおり、口の中、手、足を中心に水疱性の発疹が出る感染症です。
手足口病はウイルスの感染によって起こる病気で、子どもを中心に主に夏に流行します。感染症発生動向調査によると、例年報告数の90%前後を5歳以下の乳幼児が占めています。原因となるウイルスは、主にコクサッキーウイルスやエンテロウイルスです。
感染経路は、飛沫感染、接触感染、糞口感染が知られています。糞口感染というのは、便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染するものです。乳幼児が集団生活をしている保育施設や幼稚園などでは注意が必要です。
保育施設や幼稚園などでは、子どもたち同士の生活距離が近く濃厚な接触が生じやすい環境であることや、子どもたちの衛生観念がまだ発達していないことから、施設の中で手足口病の患者が発生した場合には、集団感染が起こりやすくなります。
症状としては、感染してから3~5日後に、口の中、手のひら、足の裏や足の甲などに、2~3mmの水疱性発疹が出ます。発熱は3分の1にみられますが、あまり高くならないことがほとんどです。数日間のうちに治ることがほとんどですが、まれに、髄膜炎や心筋炎などの様々な症状が出ることがあります。
手足口病には有効なワクチンや予防できる薬はありません。一般的な感染対策は、接触感染を予防するために職員も子どもたちもしっかりと流水と石けんで手洗いをすること、オムツ交換時に排泄物の処理を適切にすることです。また、タオルの供用をしてはいけません。2)
まれに、感染した子どもから親に感染し、親が会社で感染を広げることもあります。子どもの感染症だと侮らずに、親子でしっかり手洗いをして、夏を乗り切りましょう !
引用・参考文献
1)https://www3.nhk.or.jp/news/special/infection/dashboard/teashikuchi.html
2)https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/hfmd.html
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