Column 268
2024/06/18 18:00
人喰いバクテリアによる患者の報告が増加しています。人喰いバクテリアというのは、足の壊死など短時間で急速な状態悪化を招く「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」のことです。この人喰いバクテリアによる患者の報告が過去最多となりました。
国立感染症研究所が公表したデータによると、人喰いバクテリアによる患者は平成26年(2014年)に268人になって以降、増加が続いており令和元年(2019年)には800人を超えました。新型コロナウイルス禍の2~4年はやや減少しましたが、2023年は941人と過去最多になっています。
人喰いバクテリアの主な病原体は「A群溶血性レンサ球菌」という細菌です。感染経路は飛沫感染とされ、通常は体内に入っても咽頭炎などを患う程度で済みます。ただ、まれに血液などに菌が侵入して重篤な事態を招くのが劇症型で、60代以上の大人に多いとされています。
人喰いバクテリアによる劇症型溶血性レンサ球菌感染症の初期症状は、発熱や悪寒、手足の痛みや腫れなどですが、短時間で細菌が増殖して急激な状態悪化に見舞われ、筋肉周辺組織の壊死や多臓器不全などで、発症後数十時間で死にいたることもあり、致死率は約30%とされます。
専門家によれば、「朝までは爪先が少し腫れている程度だった足が、みるみる真っ黒になっていき、昼頃には膝ぐらいまで壊死が進んでしまうこともある」といいます。
それでは、予防に向けて出来ることはあるのでしょうか。専門家によれば、手洗いやアルコール消毒、マスク着用などの基本的な感染対策に加えて、「足の清潔」を気にかけてほしいということです。靴擦れや水虫といった足の状態もリスクになり得るといいます。
たかが足のキズ、かかとのマメなどと軽視せず、日常よく遭遇する足のトラブルでも人喰いバクテリアのことを頭の片隅においておく必要がありそうです。
引用・参考文献
https://www.sankei.com/article/20240205-YC7IDAGXFNMILDNTE5EY5X6ZLA/
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