Column 235
2023/10/31 18:00
画像参照:AmazonPrimeVideo
映画「かもめ食堂」は2006年萩上直子監督の日本映画で、舞台はフィンランドのヘルシンキ。日本食の食堂を営む個性的な主人公に小林聡美、偶然食堂を手伝うことになった日本人旅行者に片桐はいり、もたいまさこが加わりフィンランドの人たちとゆったりと交流を繰り広げていく様子が描かれています1)。
主人公は、フィンランドで日本食のメインメニューとしておにぎりを広めたいのですが、なかなか上手くいきません。手伝いの片桐はいりはフィンランドで定番とされる食材である、トナカイ、ニシン、ザリガニをおにぎりの具として買ってきますが、梅、シャケ、おかかとのマッチングにはとてもかないません。
フィンランドの人たちに日本食を理解してもらうのには、いろいろな工夫や苦労がありますが、次第に客が増えていって繁盛するまでにかなりの時間がかかります。それにしても、主人公の小林聡美が料理を手際よく作るシーンには演技とは思えないものがあります。
小林聡美が話すフィンランド語も流暢です。撮影にあたってフィンランド語の練習をしたそうですが、さすがは俳優ですね。違和感なく現地の人々との会話のキャッチボールができています。2019年には日本とフィンランド外交関係樹立100周年を記念してフィンランドとの親善大使に任命されています2)。
撮影にあたって食堂のセットとして使用された現地の食堂は、現在も実在しており、日本人観光客が集中する観光スポットになっています。また、フィンランド政府観光局が撮影協力したため、イッタラの食器やマリメッコの服などフィンランド企業の商品がたくさん登場します。
映画の撮影にはフィンランドのスタッフが多く関わりました。ある日、フィンランド人のアシスタントディレクターが「明日はお母さんの誕生日なので休みます」と言うので、日本人スタッフは一同「えーっ、そんなことで休むの」と思ったそうですが、他のフィンランド人スタッフは「ああ、お母さんの誕生日だからね」と至極当たり前という様子だったそうです。日本の働き方改革もまだまだ、全く及びませんね。
引用
1)https://ja.wikipedia.org/wiki/かもめ食堂
2)https://www.youtube.com/watch?v=xm8H-KK_VdA
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