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Column 220

2023/07/18 18:00

ウクライナとコーヒー

院長コラム

コーヒー好きのお医者さんがウクライナとコーヒーの関係について新聞に書いていました。ウクライナはヨーロッパでも隠れたカフェ大国で、ウクライナ西部の都市リヴィウにはたくさんのカフェがあること、カフェといえばオーストリアのウィーンですが、そこにコーヒー豆をもたらしたのがリヴィウ出身の商人だそうです1)。

 東ヨーロッパに位置しているウクライナ、ベラルーシ、ロシアの東スラヴ諸国は、冬になると厳しい寒さが訪れる国々です。そのためか、アルコール度数の高いウォッカを飲んだり、ボルシチやビーフ・ストロガノフなど身体が温まるような食べ物が好まれています2)。そんな東スラヴのコーヒーはかなり濃くて甘いようです。

 ウクライナコーヒーはモカ・ジャバとも呼ばれるチョコレート風味が聞いた甘いコーヒーです。ウクライナコーヒーの作り方は、コーヒーを濃い目に淹れてチョコレートシロップか砕いたチョコレートを一緒にカップに入れてよく混ぜます。そこに温めたミルクを加えて生クリームを上に乗せて完成です。

 そのウクライナにロシアが侵攻いてから1年半が経ちましたが、そのために全世界の物流や穀物価格に変動が起きています。ウクライナではコーヒー豆が不足していますが、コーヒー豆の栽培で有名なコロンビアでは肥料の42%をロシアとウクライナから輸入していましたが、この供給が止まったためにコーヒー豆の価格高騰が起こっています3)。

 また、ラニーニャ現象(コラム2022.2.1)による降水量の増加と日照時間の低下により、コロンビアのコーヒー生産量が減少しています。世界第3位のコーヒー消費国である日本でもコーヒーが貴重な飲み物となる日が来るかも知れません。皆さんも一度ウクライナコーヒーを試しておいてはいかがでしょうか。

引用
1)佐藤允彦 日医ニュース 第1482号
2)https://www.apamanshop.com/column/post-40773/
3)https://www.newsweekjapan.jp/worldvoice/matsuo/2022/04/urea-precio.php

この記事を書いた人

野崎 雅裕
野崎 雅裕野崎ウイメンズクリニック 院長
福岡市天神の産婦人科、野崎ウイメンズクリニックの院長。女性医学の専門医として、九州大学病院などにおいて、思春期から更年期女性のホルモン療法や不妊治療、漢方療法、月経痛や女性のこころとからだの悩みに関する医療に長年従事。ホルモン療法やピルの使い方、月経痛の対処法や月経移動の説明にも精通した熟練スタッフとともに、すべての患者様へあたたかいケアを行っている。
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