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福岡天神の産婦人科 野崎ウイメンズクリニック

Column 193

2023/01/10 18:00

不妊治療のお話

院長コラム

 不妊治療のお話をする時、私は手のひらを広げて、「妊娠するためには5つの条件が必要です。」と話を始めます。まず、1つ目の条件は、「卵があること」。つまり、排卵がなければ妊娠しません。自然に排卵が起こらない人には、排卵誘発薬を使います。排卵誘発薬で3つ以上の卵胞が発育したら、3つ子防止のためにその周期は治療を中断します。

 2つ目の条件は、「精子があること」です。不妊治療に入る時には、男性の精液検査が必須です。昔は、不妊症の原因は女性が8割、男性が2割などとされていましたが、現在では、女性5割、男性5割と考えて治療を進めていきます。精液検査の成績が悪い場合には、一匹の精子を卵子に直接注入する「顕微授精」が保険適応になりました。

 3つ目の条件は、「精子が子宮の中に入って行けること」です。子宮の入口を子宮頸管といいますが、この子宮頸管内の粘液が非常に粘稠で精子の動きが悪くなったり、精子に対する「抗精子抗体」があって精子の頭や尾にくっ付いて運動を止めたりすることがあります。これをクリアするには、調整した精液を直接子宮内に注入する「人工授精」があり、これも保険適応になりました。

 4つ目の条件は、「精子と卵子が出会う場所があること」、つまり「卵管がつまっていないこと」です。そのために、子宮の中に造影剤を入れて卵管からお腹の中に造影剤が出てくるかどうかを調べる「子宮卵管造影検査」を行います。この検査では、卵管の通過性と同時に子宮内腔の形も調べることができます。卵管がつまっている場合には、「体外受精」が選ばれ、これも保険適応になりました。

 5つ目の条件は、「受精卵が着床できること」、つまり「子宮内膜が受精卵を受け入れること」です。子宮内膜の状態が悪いと、せっかく受精しても着床に至らないか、着床しても流産してしまうことになります。現在の不妊治療では、受精まではほぼ100%成功しますが、着床率を上げるのが難しく、子宮内の環境を整えたり子宮内膜に傷をつけたりと様々な方法が試みられています。

 さらに分かりやすく説明すると、逆にこれら5つの条件のうちどれかをブロックすれば「避妊」になります。ピルで排卵を止める、コンドームで精子を防ぐ、ペッサリーで子宮頸管を覆う、卵管を結紮する、子宮内に避妊リングを装着する、です。不妊と避妊は表裏一体なのです。

 当院では、不妊治療と避妊相談をおこなっています。毎週火曜日には、博多駅前で不妊治療クリニックを開業されていた吉満陽孝先生に不妊外来をしていただいています。また、土曜日にも人工授精をおこなっています。お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

野崎 雅裕
野崎 雅裕野崎ウイメンズクリニック 院長
福岡市天神の産婦人科、野崎ウイメンズクリニックの院長。女性医学の専門医として、九州大学病院などにおいて、思春期から更年期女性のホルモン療法や不妊治療、漢方療法、月経痛や女性のこころとからだの悩みに関する医療に長年従事。ホルモン療法やピルの使い方、月経痛の対処法や月経移動の説明にも精通した熟練スタッフとともに、すべての患者様へあたたかいケアを行っている。
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