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Column 183

2022/11/01 18:00

ブルーライト

パソコンやスマートフォン、ゲーム機から放出されているブルーライトは長時間浴びると目に悪い影響を与えるといわれています1)。ブルーライトは特別な光ではありません。太陽から放出されている光の一種で、紫外線の次に波長が短いという特徴を持った光です。

 光のエネルギーは波長が短いほど強く、紫外線はたくさん浴びると日焼けをしたり、シミやシワの原因になり、目の水晶体が白く濁る白内障を起こしたりします。ブルーライトは日焼けこそ起こしませんが、目の角膜や水晶体を透過して網膜まで到達します。

 そのため、ブルーライトを長時間浴びると網膜を痛めてしまうこともあります。さらに、視界がぼやけて歪んで見える加齢黄斑変性症という病気の発生率がブルーライトの影響により増加しているという報告があります。

 それでは、ブルーライトは体に悪いのでしょうか。実は、ブルーライトは体内時計を整えるという重要な役割を持っているのです。人間の体内時計は25時間といわれています。この1時間のズレを調整しなければ生活のリズムが狂ってしまいます。

 人間は、体内時計によって作り出されるリズムがあることで、夜になると眠くなって身体を休め、朝になると目が覚めて活動することができます。朝起きて、太陽から放出されるブルーライトを浴びることで、体内リズムがリセットされて整えられます。

 太陽から放出されるブルーライトは昔から存在していましたが、現在では人工的に放出されるブルーライトが増えたため、必然的にブルーライトを浴びる機会が急増しました。現代人は、太陽が沈んだ後もブルーライトを浴び続けているため、体内リズムが崩れがちになっています。

体内リズムは体温やホルモンバランスを調節していますから、長期間にわたって体内リズムが崩れると、肥満、抑うつ、心臓病、癌、糖尿病など様々な病気を引き起こす可能性があります。あなたも眠る直前までスマートフォンを見つめていませんか。

引用

1)https://www.g-square.biz/2816

この記事を書いた人

野崎 雅裕
野崎 雅裕野崎ウイメンズクリニック 院長
福岡市天神の産婦人科、野崎ウイメンズクリニックの院長。女性医学の専門医として、九州大学病院などにおいて、思春期から更年期女性のホルモン療法や不妊治療、漢方療法、月経痛や女性のこころとからだの悩みに関する医療に長年従事。ホルモン療法やピルの使い方、月経痛の対処法や月経移動の説明にも精通した熟練スタッフとともに、すべての患者様へあたたかいケアを行っている。
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