Column 172
2022/08/16 18:00
「幸せだ」と感じるのは、ドーパミン、セロトニン、エンドルフィン、オキシトシンという4つのホルモンに起因します1)。それぞれのホルモンには、私たちがよい気分になるためのユニークな役割があります。
オキシトシン。オキシトシンもドーパミン、セロトニン、エンドルフィンと同様に神経伝達物質で、「信頼」を促進する化学物質と考えることができます。Psychology Today誌によると、オキシトシンは、私たちが「絆(きずな)」を感じるときのような幸福感をもたらします。
オキシトシンが与えてくれる絆は、母と子の絆であったり、親しい友人のグループにいるときに感じる感覚であったりします。もしも、オキシトシンが常に分泌されていたら、信用できない人や敵に絆のような親近感を感じたりして、私たち人間はとっくに滅んでいたことでしょう。
オキシトシンは、母子の絆を深めるのに欠かせないホルモンで「愛のホルモン」とも呼ばれています。Psychology Today誌によると、オキシトシンのレベルを上げるには、「触れること」が効果的だそうです。ハグしたり、愛犬を撫でたりするとオキシトシンが増えます。
オキシトシンは感動的な映画を観ても増えます2)。また、触れることや感動にはオーガスムもあります。Archives of Sexual Behavior誌の研究では、男女ともにオーガスム後にオキシトシンのレベルが上昇することが報告されています。とくに女性ではオーガスムの強さが高いほどオキシトシン分泌も多かったそうです。
オキシトシンは、また薬剤として産婦人科の診療でも日常的に使われています。オキシトシンは、子宮の筋肉を収縮させるので、陣痛を起こして分娩を誘発する際に「分娩誘発薬」として点滴で投与されます。分娩誘発では子宮の収縮と赤ちゃんの心拍数をモニターしながらオキシトシンの量を調節します。
母と子の出会いから絆まで愛のホルモンにお任せください。
引用
1)https://www.m3.com/lifestyle/983066
2)https://coconala.com/blogs/1923756/41115
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