Column 163
2022/06/14 18:00
梅毒は、性的な接触(他人の粘膜や皮膚と直接接触すること)によってうつる性感染症です1)。原因は梅毒トレポネーマという病原菌で、病名は症状に見られる「赤い発疹」が楊梅(ヤマモモ)に似ていることに由来しています。早期の薬物治療で完治が可能ですが、治療せずに放置すると長期間の経過で脳や心臓に重大な合併症を起こすことがあります。
この梅毒が2015年から急激な増加傾向にあります2)。他の性感染症は減っているのに、2017年には年間報告数が44年ぶりに5000例を超えたほどで、とくに東京都が1788例と圧倒的に多く、次いで大阪府の840例、愛知県の339例と都市部での報告例が目立っています。
梅毒が増えている原因はまだ分かっていません。淋病やクラミジア感染症が減少しているのは、単純にセックスする人の人口が減少しているからです2)。人口の高齢化が進むとともに性感染症の発生数は減っていきますが、梅毒だけが増加しています。梅毒だけが初期症状に気付きにくいことも一因かもしれません。
感染は、血液中の抗体を確認して診断します。薬物治療で完治した人の血液中には一定の抗体がありますが、再感染を予防できるわけではありません。そのため、コンドームの使用やパートナーの治療などの適切な予防策が取られていなければ、再び梅毒に感染する可能性があります。
福岡市天神にある野崎ウイメンズクリニックでも梅毒の検査や治療ができます。とくに若い女性の場合は妊娠した場合に胎児への影響がありますので、妊娠前には必ず検査して治療しておくことが必要です。検査は血液検査による梅毒の抗体検査になりますので、HIV(エイズウイルス)検査と共に行うこともあります。
引用
1)https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/qanda2.html
2)https://yoboukai.co.jp/article/480
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