フロスするおサルさん

院長コラム

　神戸市の歯医者さん、沼田歯科医院のホームページに以下のような面白い記事が載っていました1）。

『タイの北東部に生息するカニクイザルの一群は、歯にはさまった食べ物を糸ようじ（フロス）でキレイにそうじするのだそうです！

　FLOSS（フロス）というのは、もともとトウモロコシのヒゲのような植物にある糸状のもののことで、そこから歯の間に糸を通して掃除する「糸ようじ」という意味になったらしいのです。

　タイのカニクイザルたちは、タイの人たちがフロスを使って歯間掃除をする姿を見てまねするようになったそうです。そしてそれを子どもに教えるそうです。自分だけで歯の掃除をするときと、子どもに見せるときとでは、やり方が違い、よく見えるように大げさに何度もやってみせるんだそうです。

　日本では、歯磨きはしても、フロスまで使ってしっかりケアをする人はすくないですね～。

　ちなみに、カニクイザルのフロスの材料は人間の髪の毛、、。タイの遺跡近くで、髪の長い人が髪の毛をむしられることがあるそうですよ、、、、、。』

　ところで、TVのニュースによれば、コロナ禍のマスク着用で口腔衛生に無頓着になり、子どもの虫歯や大人の歯周病が増えているそうです。歯周病は100以上の全身疾患に関与していると言われています2）。また、歯周病で歯を失うことによるオーラル・フレイルはサルコペニアの原因にもなります（コラム102：ロコモとフレイル）。

フロスするおサルさんを見習って、私たちも歯ブラシに加えてフロスでセルフケアに努めたいものです。

引用
1）https://bit.ly/3zLUis4
2）https://www.jacp.net/perio/effect/

この記事を書いた人

野崎雅裕野崎ウイメンズクリニック院長: 福岡市天神の産婦人科、野崎ウイメンズクリニックの院長。女性医学の専門医として、九州大学病院などにおいて、思春期から更年期女性のホルモン療法や不妊治療、漢方療法、月経痛や女性のこころとからだの悩みに関する医療に長年従事。ホルモン療法やピルの使い方、月経痛の対処法や月経移動の説明にも精通した熟練スタッフとともに、すべての患者様へあたたかいケアを行っている。

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