Column 260
2024/04/23 18:00
エクオールは、腸内細菌によって大豆イソフラボンから作られるタンパク質です。エクオールの構造は女性ホルモンであるエストロゲンと大変よく似ているために、エストロゲンが減少する更年期以降の女性にとっては大切なものです。
しかしながら、50%の日本人女性はエクオールを自分で産生できません1)。また、エクオールを産生できる女性でも、食生活の乱れや腸内環境の変化によってエクオールが少なくなります。そこで、更年期以降の女性にとって、エクオールをサプリメントとして摂取することをおすすめしています。
体の中にエストロゲンがたくさんある閉経前の女性では、エクオールはエストロゲンと反対の「抗エストロゲン」作用として働きます。逆に、体の中にエストロゲンがなくなった閉経後の女性では、エクオールはエストロゲンと同様の「エストロゲン」作用として働きます。
エクオールがエストロゲン作用として働く時には、更年期症状の改善としてホットフラッシュの減少や肩凝りの改善、骨粗鬆症やメタボリック症候群の予防効果、皮膚の保湿やコラーゲンの増加などのアンチ・エイジング作用が表れます。
エクオールが抗エストロゲン作用に働く場合には、エストロゲンによる乳がんの増加作用とは反対の働きによって乳がんの増加を防ぎます。乳がんの手術を受けた女性に更年期症状が出現するようになった時には、エクオールが安全な更年期治療のツールとして活躍します。
また、エクオールは女性ホルモンのエストロゲンだけではなく、男性ホルモン「アンドロゲン」であるテストステロンに対して働く「抗アンドロゲン」作用を有します。そのために、前立腺肥大や前立腺がんに対しても抑制的に働きかけ、男性型脱毛にも有効です。
大豆は古来より健康によいとされてきましたが、その源はエクオールだったのかも知れませんね。
引用・参考文献
1)更年期と加齢のヘルスケアVol.12:128-132,2013
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