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福岡天神の産婦人科 野崎ウイメンズクリニック

Column 259

2024/04/16 18:00

黄体化未破裂卵胞症候群

ホルモン

受精

妊娠

排卵

 通常の排卵は月経周期の14日目頃に起こります。選ばれた卵胞の内、直径20mm程度にまで発育した成熟卵胞壁の一部分が破れて中から卵子が排出されるのが「排卵」です(コラム92:卵の話、)。排卵された卵子は卵管膨大部まで旅をしてきた精子と出会い受精が起こります(コラム75:2つのじゅせい#不妊治療)

排卵を終えた卵胞は、その中に「黄体」という組織ができて、妊娠に適した環境をつくる「黄体ホルモン」が分泌されます。この黄体ホルモンの作用で基礎体温が上昇して高温期となります。黄体の寿命は2週間程度ですので排卵後に妊娠しなかった場合には体温は下降して月経が始まります。

卵胞の中に黄体ができるには、脳の下垂体からLH(黄体化ホルモン)というホルモンが一時的にたくさん放出されて排卵が起こる必要があります。このLHによって排卵後に黄体ができる現象を「黄体化」といいます。

黄体化未破裂卵胞症候群というのは、卵胞が破裂しないまま卵胞の中に黄体ができる病態のことで、卵胞は破裂しませんから卵子は排卵されていません。超音波検査がなかった時代には、基礎体温が上昇して高温期になれば排卵があったものと認識していました。

現在では、超音波検査でそれまで観察されていた卵胞が消失すれば、排卵があったものと診断できます。排卵期前後で排卵すべき発育した成熟卵胞が縮小や消失しないまま、黄体ホルモン値が上昇したり、基礎体温が上昇する症例を黄体化未破裂卵胞症候群と診断します。

黄体化未破裂卵胞症候群は妊娠が可能な女性の5~10%に起こるとされています1)。また、不妊に悩む女性では発生率はさらに高いとされています2)。子宮内膜症があったり、骨盤内癒着がある場合、黄体化未破裂卵胞症候群が起こりやすくなります。

体外受精が一般的になった現在では、あまり心配する病態ではなくなりましたが、妊活を開始してもなかなか妊娠に至らない場合は、黄体化未破裂卵胞症候群を一度は疑ってみる必要があります。

引用・参考文献

1)S.Killick and M.Elstein. Fertility and Sterility,Vol.47(1987),pp773-777
2)J.Marik and J.Fulka. Fertility and Sterility,Vol.29(1978),Elsevier,pp270-274

この記事を書いた人

野崎 雅裕
野崎 雅裕野崎ウイメンズクリニック 院長
福岡市天神の産婦人科、野崎ウイメンズクリニックの院長。女性医学の専門医として、九州大学病院などにおいて、思春期から更年期女性のホルモン療法や不妊治療、漢方療法、月経痛や女性のこころとからだの悩みに関する医療に長年従事。ホルモン療法やピルの使い方、月経痛の対処法や月経移動の説明にも精通した熟練スタッフとともに、すべての患者様へあたたかいケアを行っている。
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