Column 221
2023/07/25 18:00
日本でもたくさんの言葉が略されるように、英語にもたくさんの略語があります。VIPはVery Important Person、MVPはMost Valuable Playerなどは明らかに意味がわかり日本でも日常的に使われています。それでは、多くの国で多くの人が1日に何度も使う「OK」という言葉は何の略語か知っていますか。
これほど日常的に使われる「OK」の意味や由来には様々な説があり、語源研究者でも長年の間解明できずにいました1)。しかし、たくさんの説の中でも言語学者の間で最も広く受け入れられているのは、語源研究者で辞書編集者の故アレン・ウォーカー・リード氏による説です。
コロンビア大学の教授であったリード氏は、学術雑誌「American Speech」に掲載された記事の中で「OK」の歴史を検証し、「All Correct(全て正しい)」を意図的にスペルミスした「Oll Korrect」に由来すると結論付けました。
リード氏は、1839年3月23日発行の新聞「ボストン・モーニング・ポスト」でこのスペリングがジョークとして使われていたことを発見しました。OKは「All Correct」のことで、本来なら「AC」となるはずでしたが、OKとして数日から数週間後も同紙で使われ、瞬く間に他の新聞にも広がったのです。
アメリカでは、1830年代〜1840年代に様々な創造的な言葉が生まれています。ウォール・ストリート・ジャーナルのコラムニストであるベン・ジマー氏によると、「OK」は、当時アメリカやイギリスで流行っていた略語遊びから生まれました。コミカルなスペルミスと略語という2つのトレンドを組み合わせたなんて面白いですよね」と述べています。
当時のスペルミスの略語には、「KY」「Know Yuse」の略で「No Use(役に立たない)」というのもありました。今の日本では「KY」は「空気が読めない」の略ですよね。国によって、時代によって、様々な言葉や略語遊びがあったことがわかりますね。
1830年代の言葉遊びから誕生した言葉「OK」が、今やアメリカや英語圏以外の国でも日常的な言葉として定着していることは驚きです。
引用
1)https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_6487fc9ce4b027d92f8ebd39
©️ Nozaki Women's Clinic Allrights Reserved.
Designed by HARUNO design.