Column 108
2021/11/28 18:00
コラム77で今年は「17年ゼミ」が大発生したというお話をしました。
そのアメリカ東部で大発生したセミの卵を食べるダニが急増して、首都ワシントンDCでダニ被害の増加が各所で報告されているそうです1)。
ダニに刺されるというと、かゆみを連想してしまいますが、ダニが媒介する病気はたくさんあって、命を脅かすものもあります2)。マダニに刺されて、重症熱性血小板減少症候群になれば、致死率は10〜30%にもなります。その他にダニの一種であるツツガムシに刺されてツツガムシ病になったり、リケッチアという病原体を有するマダニからの感染症もあります。
ペットもダニの被害に遭います。とくに犬には、マダニ、イヌセンコウヒゼンダニ、イヌミミヒゼンダニ、ニキビダニなどが多くて、感染するとペットに皮膚病を起こすほかにヒトにも感染する「人獣共通感染症」が起こります3)。ペットがダニに感染しないように散歩後やペットショップから帰ったらブラッシングをしたり、定期的にダニ予防薬を与えるのが大事です。
ペットにはダニ予防薬がありますが、肝心の飼い主にはダニ予防薬がありません。アメリカ東部 ノーフォークでの留学のため入居したアパートで、強烈なダニ駆除剤が部屋に充満していたことを思い出します。前の住人がゴールデンレトリバーを飼っていたようですが、あの年はセミの大発生から2年後でした。アメリカ東部ではセミとダニの大発生がくり返されているようです。
引用
1)https://www.sankei.com/article/20210907-HYP25W3MORPQXJMZH6ZV5HKRLA/
2)https://www.city.kumamoto.jp/hpkiji/pub/detail.aspx?c_id=5&type=top&id=9312
3)https://www.anicom-sompo.co.jp/inu/2066.html
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