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Column 75

2021/06/18 21:20

2つの「じゅせい」#不妊治療

不妊治療

 「人工授精」と「体外受精」。両方とも不妊治療の方法です。不妊治療のまず1つ目に“人工授精” は採取後に調整した精子を子宮の中に注入する方法、そして不妊治療の2つ目 “体外受精” は採卵した卵子と精子を子宮の外つまり体外で受精させる方法です。

 読み方は同じ「じゅせい」ですが、漢字が違っていますね。人工授精 では精子を「授ける」ということから「授精」の漢字が使われています。一方で体外受精では、体外で卵子が精子を受け入れることから「受精」の漢字が使われています。※不妊治療には様々な治療法がございます

不妊治療:2つの治療法の大きな違い

それは「受精」の場所です。

 人工授精 では「受精」は卵管膨大部の中で起こります。卵管膨大部とは、子宮の両側からお腹の中につながっている卵管の最も膨らんだ部分です。この卵管膨大部で受精した受精卵は1個の細胞から2個へ、さらに4個、8個へと細胞分裂を繰り返していきます。ここで約3日間細胞分裂を繰り返した受精卵は子宮の中へ吸い込まれるように移動して、子宮の中で着床する場所を探します。子宮の中で子宮内膜に着床が成立すると妊娠のホルモンが分泌されるようになります。

 体外受精 では「受精」は言葉の通り「体外」で起こります。排卵誘発剤で複数の卵胞を発育させて、成熟した卵胞内の卵子を超音波検査で確認しながら穿刺·吸引していきます。吸引した卵子は成熟していれば精子と一緒に「受精」するようにします。複数の成熟した卵子は次回以降の受精のために凍結保存します。受精した受精卵は子宮腔内に戻しますが、この操作を「胚移植」といいます。ですから、体外受精は胚移植とセットになっていますので、体外受精·胚移植(IVF-ET)と呼ばれています。IVF-ETは、福岡市天神地区のクリニックでも行われています。

 当院(福岡市天神地区の産婦人科野崎ウイメンズクリニック)では、毎週火曜日に 不妊治療 専門の吉満陽孝先生(元よしみつ婦人科クリニック院長)に人工授精のプランニングをしていただいております。人工授精を希望される方は、ホームページの「不妊外来」をご覧ください。

この記事を書いた人

野崎 雅裕
野崎 雅裕野崎ウイメンズクリニック 院長
福岡市天神の産婦人科、野崎ウイメンズクリニックの院長。女性医学の専門医として、九州大学病院などにおいて、思春期から更年期女性のホルモン療法や不妊治療、漢方療法、月経痛や女性のこころとからだの悩みに関する医療に長年従事。ホルモン療法やピルの使い方、月経痛の対処法や月経移動の説明にも精通した熟練スタッフとともに、すべての患者様へあたたかいケアを行っている。
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