Column 284
2024/10/08 18:00
大河ドラマ「光の君へ」では、きらびやかな平安貴族の様子が放映されています。貴族たちが住んでいた平安京は、北端の一条大路から南端の九条大路が東西に、東端の東京極大路から西端の西京極大路が南北に、碁盤の目のように通っていました。
その名残として、一条大通りは百鬼夜行(ひゃっきやこう)の伝説が残ることから、現在の一条通大将軍商店街は「妖怪ストリート」として知られています1)。毎年10月の第3土曜日、大将軍八神社の例祭(天門祭)が行われる前夜には、妖怪仮装行列「一条百鬼夜行」が開催されます。
百鬼夜行とは、日本の説話などに登場する深夜に徘徊する鬼や妖怪の群れ、および、彼らの行進のことです2)。「百鬼夜行に遭った」などと表現されていました。経文を唱えることにより難を逃れた話や、読経しているうちに朝日が昇ったところで鬼たちが逃げたり、いなくなったりする話が一般的で、仏の功徳を説く説話でもありました。
平安時代から室町時代にかけて、説話に百鬼夜行が登場しており、多くの妖怪が音をたてながら火をともしてくる様子や、さまざまな姿かたちの鬼が歩いている様子などが描写されており、これに遭遇することが恐れられていたようです。
百鬼夜行に出遭うと死んでしまうといわれていたため、百鬼夜行日といわれる日に貴族などは夜の外出を控えたといわれています。今昔物語、宇治拾遺物語、大鏡、古本説話集、沙石集、打聞集、諸国百物語など多くの説話集に百鬼夜行に出会った話がでてきます。
街灯もなかった時代、月明かりのない夜、平安京の外は漆黒の闇。鬼や妖怪ではなくとも、人間の集団に遭遇しても大変怖かったでしょうね。
引用・参考文献
1)https://ja.kyoto.travel/event/single.php?event_id=3647
2)https://ja.wikipedia.org/wiki/百鬼夜行
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