Column 274
2024/07/30 18:00
「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」は、2024年7月19日公開のアメリカ映画です。1969年の人類初の月面着陸はアメリカ政府の作りごとで、世界に流れた映像はスタンリー・キューブリック監督が撮った、今で言う「フェイク動画」だという米国の都市伝説をひとひねりしたドラマです1)。
1969年の米国、月面着陸を目指すアポロ計画はスタートから8年経っており、宇宙開発ではソ連に遅れをとっていました。そこで、米政府は全世界にアピールするためにPRマーケティングのプロを雇います。手段を選ばない彼女はメディア戦略を仕掛けるというストーリーです。
「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」という曲も有名ですね。1954年、アメリカの作曲家バート・ハワードによる作品ですが、フランク・シナトラがカバーしたことで大ヒットしました2)。シナトラが歌った1960年代はアポロ計画の真只中でしたので、人々の月への関心が高まっていたことを感じさせます。
実際には宇宙に行かなかったという都市伝説を題材にしたもう1つの映画が、1977年の米英合作映画「カプリコン1」です3)。人類初の有人火星探査を目的とした宇宙船カプリコン1が打ち上げられようとする数分前、3人の乗組員は管制スタッフに見つからないように船内から連れ出されます。
3人は砂漠の真ん中にある無人の古い基地へと連れていかれます。カプリコン1の生命維持装置に不具合があったため、ロケットは無人のまま打ち上げられたのです。そして3人は、火星探査や地球との通信の様子などをセットの前で収録して世界に公開するという大芝居に協力するよう指示されます。
カプリコン1による「火星探査の様子」は捏造であることが明るみに出ることもなく順調に進みますが、地球への再突入の際にロケットの故障により爆発してしまいます。3人は自分たちが存在してはならない人間にさせられたことに気づいて砂漠の基地から脱出を図るというストーリーです。
私たちが日頃目にしている画像は本物なのでしょうか。疑心暗鬼にかられた方には、トゥルーマン・ショー4)という映画をおすすめします。
引用・参考文献
1)https://natalie.mu/eiga/film/196143
2)https://www.worldfolksong.com/jazz/flyme.htm
3)https://ja.wikipedia.org/wiki/カプリコン・1
4)https://ja.wikipedia.org/wiki/トゥルーマン・ショー
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