たそがれ

伝承

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歴史

語源

　たそがれは、漢字で「黄昏」と書きます。1981年の映画「黄昏」が有名です１）。ヘンリー・フォンダとジェーン・フォンダの親子共演も話題になりましたが、原題の「On Golden Pond」のように黄昏時の黄金色に輝く湖畔の別荘で暮らす老夫婦の映像が、昔は羨ましく、別世界のように思ったものです。

江戸時代まで２）は、日本では昼と夜の境となる時刻に「明け六つ」や「暮れ六つ」と呼んで鐘を鳴らしました３）。暮れ方の「黄昏刻（たそがれどき）」が、向こうから来る人の顔を見分けられぬ「誰そ彼」に由来するのは有名な話です。

「黄昏刻」にはもう一つの呼び名があります。人間が活動する昼と妖怪が活動すると信じられた夜が交わるため「逢魔が刻（おうまがどき）」と呼ばれていました３）。神隠しなどの不可解な出来事がよく起こった時間帯だといわれています。

現代においても「黄昏刻」は、昼間の明るい光量が減るためにものが見えづらい時間帯です。事故が増える時間帯なので、早めのライト点灯が呼びかけられています。

また、英語では「黄昏刻」や夕暮れ時のことを「トワイライト」といいます。「トワイライト・ゾーン」というのは、不可思議や超常現象が起こる時間帯、場所を指します。日本の「逢魔が刻」も英語圏の「トワイライト・ゾーン」も「誰そ彼」どきなのですね。

引用・参考文献

１）https://ja.wikipedia.org/wiki/黄昏_(1981年の映画)
２）https://museum.seiko.co.jp/knowledge/trivia08/
３）産経抄 2024.4.25

野崎雅裕野崎ウイメンズクリニック院長: 福岡市天神の産婦人科、野崎ウイメンズクリニックの院長。女性医学の専門医として、九州大学病院などにおいて、思春期から更年期女性のホルモン療法や不妊治療、漢方療法、月経痛や女性のこころとからだの悩みに関する医療に長年従事。ホルモン療法やピルの使い方、月経痛の対処法や月経移動の説明にも精通した熟練スタッフとともに、すべての患者様へあたたかいケアを行っている。