Column 264
2024/05/21 18:00
2021年にワシントンDCでゼミが大発生したということをコラム77でお話ししました。17年周期で地上に現れる17年ゼミのことです。その時のコラムで、周期ゼミには17年周期で成虫になる17年ゼミと13年周期で成虫になる13年ゼミがおり、いずれも周期年数が素数であることから素数ゼミと呼ばれていることをお話ししました。
日本では、セミの幼虫は7年間を土の中で過ごし、成虫になって地上に出てくるとわずか7日(1週間)で死ぬという話が有名です。しかし、実際に土の中で7年も過ごすセミは日本にはおらず、ツクツクボウシで1~2年、アブラゼミで3~4年、クマゼミで4~5年のようです1)。いずれにしても、地中で幼虫として過ごす期間の方が圧倒的に長いのは確かなようです。
今年2024年は、米国でセミが大発生すると言われています。専門家の予測によると、2種類のセミが同時に地上に現れ、その数は何十億匹にも何千億匹にもなるとされています2)。
北米中西部のイリノイ州は17年ゼミと13年ゼミが同時に出現する数少ない場所の一つです。寒い北部に17年周期の17年ゼミが生息しており、暖かい南部には13年周期の13年ゼミが生息しています。イリノイ州の中央部付近のスプリングフィールドでは2種類のセミを見ることができるだろうと予測されています。
この現象が最後に記録されたのは1803年のことで、今から221年前です。13と17の最小公倍数が221なのです。専門家たちはこの2種類の珍しいセミたちの出会いにより異なる種同士の交配につながる可能性があるとみています。それは、セミの進化につながるかもしれないチャンスだとも言われています。
皆さんはちょうど13年前や17年前に何をしていたか覚えていますか。あの小さなセミには正確な体内時計が仕組まれているようです。自然界にはまだまだ解明されていない不思議なことがありますね。
引用・参考文献
1)https://nature-and-science.jp/larva/#page-2
2)https://www.youtube.com/watch?v=Rq0Pj6nL3bM
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