Column 253
2024/03/05 18:00
島原大変肥後迷惑とは江戸時代の1792年5月21日に肥前国島原(現在の長崎 県島原市)で発生した雲仙岳の火山性地震およびその後の眉山の山体崩壊(島 原大変)と、それに起因する津波が島原および対岸の肥後国(現在の熊本県) を襲ったこと(肥後迷惑)による災害です1)。
この島原大変肥後迷惑による犠牲者は1万5000人に達し、日本史上最大規模の火山災害となりました。新月の夜でかつ大潮であったことが、大きな被害となった一因とされています。その後のシミュレーションによれば、山体崩壊の開始から終了までわずか180秒程度であったと想定されています。
山体崩壊という大災害は最近も世界中の火山で起こっています。1980年アメリカ合衆国ワシントン州のセントへレンズ山の大噴火では、山頂付近の大規模な山体崩壊によって山の標高は2950mから2550mへと400mも低くなりました 2)。この山体崩壊は爆発的な噴火の典型例として知られています。
日本では、磐梯山の山体崩壊や浅間山の山体崩壊が有名ですが、富士山も歴史上幾度となく山体崩壊を起こした形跡があります3)。山体周辺の地層の中に岩屑雪崩の証拠が残っており、2900年前には御殿場岩屑雪崩や約8000年前には馬伏川岩屑雪崩が起こっています。
富士山は少なくとも1万年に2回の山体崩壊による岩屑雪崩を起こしているので、およそ5000年に1回の割合で山体崩壊が起こると考えて備えるべきだとされ、過去2万3000年間に少なくとも4回の山体崩壊があったと言われています3)。
今はおとなしい火山でも過去に噴火の記録があればいつでも島原大変肥後迷惑のような大災害が起こり得ます。オヤジは怖くなくなりましたが、地震・雷・火事はいつ何時襲ってくるか分からない怖いものです。日頃の備えは出来ていますか。
引用・参考文献
1)https://ja.wikipedia.org/wiki/島原大変肥後迷惑
2)https://ja.wikipedia.org/wiki/1980年のセント・ヘレンズ山噴火
3)https://www.gentosha.jp/article/16239/
©️ Nozaki Women's Clinic Allrights Reserved.
Designed by HARUNO design.