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Column 121

2022/01/11 18:00

果糖は万病の元

健康

院長コラム

 果糖は万病の元という報告1)があったので解説します。

 果糖といえば、「果物」の糖質と考えられがちですが、果物でもブドウ糖と果糖は1対1の比率で、果糖の摂りすぎの最大の原因は「清涼飲料水」です。

 果物は身体にとっては、ビタミンや栄養を含む必要なものですが、清涼飲料水には、コーンシロップあるいは高果糖液糖と呼ばれる「甘味料」が使用されています。このコーンシロップは、トウモロコシのデンプンにイソメラーゼ処理という過程を加えて果糖の濃度を高めたものです。

 この清涼飲料水の甘味料である果糖は、心筋症、肥満、メタボリック症候群や脂肪肝に悪影響を及ぼすことが懸念されています。また、大腸がんは日本でも死因第2位のがんですが、アメリカでニューヨークのワイルコーネル医科大学の研究グループは、ヒトでの大腸がん増加の原因として、果糖の過剰摂取を考えるべきと断言しています。

 乾いた喉をうるおす清涼飲料水は本当に美味しいものですが、その美味しさには、冷たさや炭酸の他に果糖が一役買っていたのです。何ごとも過ぎたるは及ばざるがごとしといいますが、果糖も過剰摂取すると命に関わることになりますので、自動販売機の前に立ったら、しばし考えてみてはいかがでしょうか。

 ところで、果物にはブドウ糖果糖ショ糖、などの糖類が含まれていますが、これらの糖類は短時間でエネルギーになるため、夜よりも朝食・昼食時に摂ることが勧められます2)。

ディナーのデザートに果物が出てきますが、皆さんはどうしますか?

引用

1)https://bit.ly/3nebQrN
2)https://dm-net.co.jp/calendar/2018/028745.php

この記事を書いた人

野崎 雅裕
野崎 雅裕野崎ウイメンズクリニック 院長
福岡市天神の産婦人科、野崎ウイメンズクリニックの院長。女性医学の専門医として、九州大学病院などにおいて、思春期から更年期女性のホルモン療法や不妊治療、漢方療法、月経痛や女性のこころとからだの悩みに関する医療に長年従事。ホルモン療法やピルの使い方、月経痛の対処法や月経移動の説明にも精通した熟練スタッフとともに、すべての患者様へあたたかいケアを行っている。
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