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2020/01/01 18:00

Column 45:卵管はいつも動いている

卵管の運動についての研究が私の学院論文のテーマでした。卵管の運動に興味を抱いたのは、九大医学部の先輩からいただいた一冊の本がきっかけでした。その本には、WHOシンポジウム、サンアントニオ、テキサス、1975年とあり、本のタイトルは「卵の輸送と妊娠の制御」でした。

当時、世界保健機関(WHO)は、発展途上国での人口増加(人口爆発)を制御するために、卵管の運動を早めて受精卵を子宮内に未熟なまま送り込むことによって、避妊することが出来ないかというプロジェクトを行っていました。このプロジェクトはその後CONRADという発展途上国における女性の生殖器系の健康を改善する活動へと移行していきます1)。

卵管は胃腸などの消化管と同様に平滑筋から成り立っています。主に内側には輪走筋、外側には縦走筋があります。手術で切除したヒトの卵管も酸素化したクレブス液に浸すと何時間でも動いています。卵管を切除する手術は九大病院でも毎日はありませんので、ひたすら卵管を求めて福岡市内中の手術場を回りました。各病院の産婦人科の先生からは「また、卵管泥棒が来た」と言われました。

そのヒトの卵管ですが、実に不思議な動きをします。規則正しく収縮と弛緩を繰り返しますが、プロスタグランディン(PG)Eを流すと収縮が止まり弛緩します。PGFを流すとギュッと収縮して緊張が高まります2)。これは子宮の出口である子宮頸管と同じ動きですが、逆に子宮の体部はPGEでもPGFでも収縮します。このようにして、受精卵は卵管の中に留まった後、子宮内へと移動していくと考えられます2)

■引用・参考文献
1) https://en.wikipedia.org/wiki/CONRAD_(organization)
2)M.Nozaki and Y.Ito ;American Journal of Physiology 251;R1126-R1136, 1986.

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