Column 306
2025/03/11 18:00
ケニア宇宙庁が、首都ナイロビの南東に位置する村にスペースデブリ(宇宙ごみ)が落下したと発表しました1)。そのデブリは、直径2.5メートル、重さ500キロの金属製のリングで、ロケットから分離した破片とみられています。
スペースデブリとは、地球の軌道上を周回する人工物の総称です。運用を終えた人工衛星や打ち上げ時に切り離されたロケットの一部などを指します。欧州宇宙機関の推測では、直径10センチ以上のものだけでも3万6500個に上り、1センチ以上のものを含めると100万個を超えるとされています。
多くのものは、大気圏において燃え尽きるか、海洋などに落下するように設計されています。が、小さいものでも運用中の衛星に衝突した場合に壊滅的な被害を与えるとされ、ニアミスも増えている昨今、国際的にも問題視されています。
この宇宙空間を漂う厄介者のスペースデブリの除去を事業化する動きがありました。宇宙の掃除屋を目指す企業・アストロスケールが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から宇宙ごみ除去の実証事業を132億円で受注したのです2)。
アストロスケール社は、2030年までにスペースデブリを完全に除去することを方針にしています。
いまや地上での生活に必要不可欠となった人工衛星は、今後数十年で数万機打ち上げられる計画があるそうです。その安全な運用のために私たちの頭上で、このようなプロジェクトを立ち上げたアストロスケール社が日本に本社をおく企業であることは、非常に誇らしいことです。
ふと、サッカーの国際試合の後で黙々とごみを片付けるサポーターの姿を思い起こしました。宇宙空間においても、ゴミの片付けを率いるのは日本人なのですね。
引用・参考文献
1)https://www.sankei.com/article/20250107-TXPORXFSLJEEJOD7QVOFTUA5T4/
2)https://astroscale.com/ja/astroscale-japan-secures-contract-for-phase-ii-of-jaxas-commercial-removal-of-debris-demonstration-program/
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