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福岡天神の産婦人科 野崎ウイメンズクリニック

Column 286

2024/10/22 18:00

レーザー治療(その1)

レーザー

歴史

治療法

 レーザー治療という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。レーザー(LASER)とは、Light Amplification by Stimulated Emission of Radiationの頭文字で「誘導放射による光の増幅」という意味です。

相対性理論で知られるアインシュタインは、1917年に「誘導放射」を提唱しました。誘導放射とは原子や分子が外部からの電磁波を受け、その強さに比例して同じ電磁波を放出する現象です。1954年にはアメリカのベル研究所がレーザーの元となるメーザーを発明、そして1960年にアメリカの科学者メイマンがレーザーを発明しました。

レーザーにはいくつか特徴があります。まず「単色性」であること。レーザー光の色は波長で決まり、同じ波長の光子(電磁波を粒子と考えた場合の名称で、素粒子の1つ)の集まりなので単色です。次は「指向性」で、通常光は八方に広がりますが、レーザー光は平行して同じ方向に進みます。また、「集光性」という性質があり、レンズで照射先を絞ることによって高いエネルギーを放出でき、金属を溶かすこともあります。1)

その指向性を活かして、オリンピックでの射撃ではレーザー光を的に当てて競技していました。また、自動ドアで人間が近づくと感知して作動する仕組みにもレーザー光が使用されています。

ところでレーザー治療とは、1色の光を取り出して増幅させ、発生する熱エネルギーにより組織の切開などを行う治療法です。ひとえにレーザーといっても種類はさまざまで、一般的に医療現場で使われているレーザーは、手にあたっても痛さや熱さを感じません。

レーザー治療は、あらゆる医療現場で用いられています。眼科では近視の矯正や糖尿病性網膜症の治療を目的として、耳鼻咽喉科では花粉症の治療を目的として、皮膚科や美容外科ではあざやシミの治療を目的として、整形外科では疼痛緩和のための神経伝導抑制や抗炎症を目的として、歯科ではホワイトニングや歯周病菌を殺菌する目的で取り入れられています。

生涯、レーザー治療を受ける機会は確実に増えています。

引用・参考文献

1)https://www.doctor-map.info/useful/10736_clini_071/

この記事を書いた人

野崎 雅裕
野崎 雅裕野崎ウイメンズクリニック 院長
福岡市天神の産婦人科、野崎ウイメンズクリニックの院長。女性医学の専門医として、九州大学病院などにおいて、思春期から更年期女性のホルモン療法や不妊治療、漢方療法、月経痛や女性のこころとからだの悩みに関する医療に長年従事。ホルモン療法やピルの使い方、月経痛の対処法や月経移動の説明にも精通した熟練スタッフとともに、すべての患者様へあたたかいケアを行っている。
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