Column 232
2023/10/10 18:00
炭酸飲料のウィルキンソンは、外国のブランドだと思っている人も多いのではないでしょうか。コカ・コーラのようにアメリカのジョージア州アトランタで生まれて、日本では日本コカ・コーラがボトリングと販売を行っているような飲み物ではありません。ウィルキンソンは日本発祥の炭酸飲料でアサヒ飲料がボトリングと販売をしています。
ウィルキンソンの名前は、1889年(明治22年)に、日本に定住していた英国人ジョン・クリフォード・ウィルキンソンが、狩猟の途中で天然の炭酸鉱泉を発見したことに由来します1)。この炭酸鉱泉は現在の兵庫県西宮市塩瀬町生瀬にあり、ウィルキンソンがこの鉱泉水をロンドンに送り分析してもらったところ、医療用・食卓用として非常に優れたものであるとの結果を得ました。
西洋の食卓では、水をサーブする際に、炭酸入り(Gas)か、炭酸なし(Non-Gas)かを選択することがよくあります。当時の日本政府は、外国人向けの良質な食卓用水を求めていたこともあり、ウィルキンソンはこの炭酸鉱泉水を瓶詰めにして販売することを企画しました。
ウィルキンソンは、温泉会社からラムネ部門を譲り受け、イギリスから必要な設備を取り寄せて、現在の兵庫県宝塚市紅葉谷に工場を設けて、1890年から
ボトリング事業を開始しました。当初のブランドは仁王印ウォーターだったそうです。
1904年には、ザ・クリフォード・ウィルキンソン・タンサン・ミネラルウォーター・カンパニーを設立して、第一次世界大戦前後には、販路を日本国外27地域に拡大していきます。1950年にはアメリカのゼネラルフーズと提携し、1951年には朝日麦酒が販売を行い、1983年にアサヒ飲料が製造・販売を開始して、現在に至っています。
炭酸水は、食欲を増進させる、ダイエット効果がある、血行をよくするなどの効果がありますが、飲み過ぎると腹痛や虫歯の原因になったり、逆流性食道炎の人には良くないなどのデメリットもあります2)。ウィルキンソンは1日ボトル1本500mlくらいが健康維持には良いようです。
引用
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