Column 205
2023/04/04 18:00
ChatGPT-4とは、最新型の対話型AI(人工知能)で、開発元は米国のOpenAI社です。ChatGPTは2022年11月に最初の版がリリースされたのち徐々に改良を重ね、バージョン4では我々の背筋が凍りそうになるくらいの危機感を覚えるクリエーティブな能力を備えるに至りました1)。
例えば、米国の司法試験の模擬問題で人間の上位10%のスコアを叩き出すことが出来て合格することが出来ます。一つ前のバージョン3.5では下位の10%のスコアで、これでは合格することは出来ませんでした。その他の専門的、学術的分野でも人間レベルのパフォーマンスが出来ます。
ChatGPT-4は、指示に従って、小説、エッセー、脚本、詩などが書けます。文章だけでなく受け取った画像に対しても返答できます。小麦粉、卵、ミルクの写真を示して、これらを使って何ができるかを聞くと、「パンケーキ、ワッフルなど無限の選択肢がある」と答えます。ジョークの写真にも、どこがどう笑えるかを答えることが出来ます。また、作詞・作曲をすることも可能です。
ChatGPT-4は、インターネットにつながる環境さえあれば、誰でも今すぐに無料で利用することが出来るという強みを持っています。ニューヨーク市では、学生の大半が既に宿題や論文作成のために利用したことがあるといい、学力の低下も問題視されているため、ニューヨーク市教育局が同市の学生と教師はこのサービスにアクセスできないようにしたといいます2)。
アメリカでは、イーロン・マスク氏やアップル共同創業者のスティーブ・ウォズニアック氏の他、マサチューセッツ工科大学のAI研究者など約120人が、ChatGPT-4より高度なAIの開発を一時停止するように署名活動が広がっています3)。また、イタリアのデータ保護当局も個人情報流出の危険性が指摘されChatGPT-4へのアクセスを停止しています4)。
AIの飛躍的革新を目の当たりにすると、「シンギュラリティ」はいつ頃やってくるのかということが気になります。「シンギュラリティ」とは、「技術的特異点」という言葉の英語で、人工知能(AI)が技術的に進歩して人間の知能を大幅に凌駕する時点のことです5)。→コラム156:シンギュラリティ
アメリカの発明家で思想家のレイ・カーツワイルは、シンギュラリティは2045年頃に到来すると想定しました6)。ChatGPT-4のようなAIの登場は、そのシンギュラリティが目前に迫っていることを示しているように思えます。
AIの生みの親である人間は、AIが正しく育つように、子育てをしていく必要に迫られています。
引用
1)産経新聞コラム 正論 竹内久美子執筆 2023年3月30日刊
2)https://japan.cnet.com/article/35198179/
3)https://www.youtube.com/watch?v=jg8iCp503iU
4)https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2304/01/news043.html
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