Column 209
2023/05/02 18:00
葉酸は、妊活・妊娠中に必要な水溶性のビタミンB群の一つです1)。妊娠初期の活発な細胞増殖に必要なDNAの合成を助ける働きがあり、胎児の発育、とくに脳・神経・心臓などが形成される過程において欠かすことのできない栄養素が葉酸なのです。
葉酸は、ビタミンB12とともに赤血球の生産を助けることから「造血のビタミン」ともいわれています2)。葉酸は、通常の食事をしている場合には、過剰摂取による健康障害の心配はありませんが、ビタミンB12が不足している人が、葉酸のサプリメントを過剰に摂取すると、ビタミンB12欠乏症による貧血の発症が分からなくなる可能性がありますから、注意が必要です。
妊娠初期には、胎児の脳や脊髄のもととなる神経管が形成されます。この神経管が閉鎖するのに葉酸が重要な役割を果たしています。妊娠を計画しているか、あるいは妊娠している女性は、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを低減するために、葉酸の摂取が大切です。
葉酸の1日の摂取推奨量は、18歳以上の男女ともに240μgとされています。厚生労働省は、妊活中から妊娠初期の女性に対して、食品から摂るべき1日の葉酸240μgに加えて、サプリメントなどから1日400μgの葉酸を摂取することを勧めています。また、妊娠中期〜後期は通常時の推奨量に加えて240μg/日、授乳中は100μg/日の葉酸を摂取することが望ましいとしています。
葉酸を多く含む食物は、野菜では枝豆、大豆、モロヘイヤ、ブロッコリー、ほうれん草、肉類では鶏レバー、牛レバー、海藻では焼きのり、などがあります。葉酸は水溶性のビタミンで水に溶けやすく、熱に弱い性質があります。通常の食事からの食事性葉酸に対しては耐用上限量はありません。サプリメントなど食品以外からの摂取上限量は900〜1000μg/日とされています。
最近の研究では、葉酸とビタミンB 12が、動脈硬化の危険因子と考えられているホモシステインをメチオニンに変換するのを助けることや、メチオニンがコレステロール値を低下させる可能性が示されています。これらのことから、葉酸とビタミンB 12は虚血性心疾患(心筋梗塞)の予防に効果があるのではないかと期待されています。
当院では、将来妊娠を計画している方や不妊治療中の女性に葉酸のサプリメントである葉酸サプリプラスを勧めています。葉酸サプリプラスは日本家族計画協会推奨の、葉酸を中心としたビタミン群のサプリメントです。お気軽にご相談ください。
引用
1)https://www.elevit.jp/nutrition/folic-acid/
2)https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-yousan-biotin.html
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