Column 115
2021/12/21 18:00
「ジュラシック・パーク」という映画を知っていますか?
1990年にマイケル・クライトンが書いたSF小説が1993年にスティーブン・スピルバーグ監督によって映画化され、世界中でヒットしました。
大富豪ハモンドの招待で、古生物学者グラントとサトラー、そして数学者マルコムが南米コスタリカの沖合いに浮かぶ島を訪れる。そこは太古の琥珀に閉じ込められたDNAから遺伝子工学によって蘇った恐竜たちが生息する究極のアミューズメント・パークのはずだったが、、、1)。
絶滅した生物を復活させる「ジュラシック・パーク」はSFの世界の出来事でしたが、遺伝子工学の進歩によって、失われた動物の復活は現実の出来事になりつつあります。
2021年9月13日、米ハーバード大学の遺伝学者のジョージ・チャーチ氏と起業家のベン・ラム氏は「コロッサル」というスタートアップ企業を立ち上げ、絶滅したマンモスに似たゾウを遺伝子工学で誕生させるという計画を発表しました3)。マンモスのDNAを使って、北極圏の気候に適応したアジアゾウを作るというものです3)。
チャーチ氏は最先端の遺伝学者で、ヒトへの移植に適した臓器をもつブタの作製などで知られています。アジアゾウが北極圏で生存・繁殖できるためには、アジアゾウの遺伝情報に「50あまりの改変」をプログラミングする必要があるそうです。10センチの断熱脂肪層、最大で長さが1メートルある5種類の体毛、寒さに耐えられる小さな耳などが含まれ、密猟者対策として象牙が生えないような遺伝子操作も試みるそうです。
コラム47で「デザイナーベイビー」のお話をしました。ヒトの病気を予防する遺伝子操作はすでに研究されていますが、絶滅した生物やウイルスが復活するようになると「ジュラシック・パーク」では済まされないことになります。
引用
1)https://dydo-matsuri.com/jurassicpark-summary/
2)https://www.cnn.co.jp/photo/l/1015042.html
3)https://bit.ly/3FfBSC4
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