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ヘルスケアコラム

2025/07/01

【東洋医学編】生理痛をやわらげるツボとセルフケア

東洋医学

生理痛

月に一度の生理痛に悩む女性は多く、その症状には個人差があり、中には寝込むほどの痛みに悩まされている人も少なくありません。厚生労働省の報告によると、8割以上の女性が生理痛を感じており、元気な時に比べ、仕事のパフォーマンスが半分以下になる人が45%にも上るそうです。

生理痛の主な要因にはホルモンバランスの乱れや血行不良、ストレスなどがあり、治療法はさまざまですが、薬に頼り過ぎず、からだにやさしい方法でケアしたい方には、東洋医学に基づくセルフケアがおすすめです。

本記事では、子宮や全身の血液の巡りを整える効果が期待でき、自分の手で手軽に行えるツボ押しとその注意点、さらには生理痛をやわらげる生活習慣についても分かりやすくご紹介します。

そもそも東洋医学とは? — からだ本来のバランスを整える医療

東洋医学(とうよういがく)は、古代中国をはじめとするアジア地域で発展してきた伝統医学の総称で、日本の鍼灸や漢方医学も東洋医学の一部として知られています。からだの不調を「全体のバランスの乱れ」と捉え、痛みや病気を治すだけでなく、心身全体の調和を目指す医療です。

東洋医学の主な治療法

現代の医療と東洋医学

現代では、西洋医学と東洋医学を組み合わせた治療も増えています。例えば、漢方薬は慢性的な肩こり・腰痛・冷え性・ストレス症状・自律神経の乱れなどに対して高い効果を発揮することから、多くの方に利用されています。

生理痛の原因と症状

生理痛(月経痛)の主な原因は、子宮内膜を押し出すために子宮を収縮させる作用をもつ「プロスタグランジン」という物質です。プロスタグランジンの産生量が増えすぎると子宮の収縮が過剰となり、下腹部に強い痛みを引き起こしやすくなります。

この痛みは下腹部だけでなく、腰や頭の痛み、肩こりとして現れることもあります。さらに血行不良も生理痛の悪化に深く関係しているので、からだを冷やしがちな生活習慣やストレスも生理痛を悪化させる要因となるため注意が必要です。

自分のからだの状態に目を向けて全身の血流改善を促し、ホルモンバランスを整えるケアを積極的に行うことが、生理痛の予防・緩和につながります。

なお、生理痛には子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が原因で起こる場合(器質性月経困難症)もあります。この場合には早めの診断・治療が大切です。痛みが特に強い場合や長引く場合、いつもと違う症状を感じる場合は、我慢せず婦人科を受診しましょう。

生理痛に効果的な東洋医学とは?

生理痛をやわらげるには、ツボ押しと養生が効果的です。

まずはツボ押しから解説していきます。いわゆる「ツボ」とは、体内の「気=エネルギー」が流れる経路の経絡(けいらく)上に点在するポイント・経穴(けいけつ)の通称です。例えるとしたら、経絡は電車の線路、経穴は駅といったところでしょうか。

経絡は全身の臓器や器官とつながっており、ツボ周辺で血液や気の流れが滞ると、からだのバランスが崩れて不調や痛みの原因になると考えられています。ツボ押しには、滞りを解消して新陳代謝を活発にし、自然治癒力を高める効果が期待できます。世界保健機関(WHO)でも361箇所の経穴が国際標準として認められており、ツボ押しの有効性は世界的にも知られています。

実際、鍼灸などでツボを刺激すると基礎体温の上昇や生理痛の緩和がみられ、生理周期が整いやすくなることも報告されています。こうしたツボ押しはからだ本来の力を引き出し、体質そのものを改善しながらからだを健康な状態へと導いてくれます。継続することで、変化を実感する方が多い治療法です。

生理痛をやわらげるツボ

生理痛の緩和に役立つ代表的なツボをいくつかご紹介します。

関元(かんげん)・気海(きかい)

おへその下に指4本分下がったところにあるツボ(いわゆる「丹田」の部分)です。昔からからだを内側から整える要(かなめ)とされ、下腹部の痛みを感じたときに無意識に手を当てる人もいるほど、心身のバランスに直結する部位です。ここをやさしく温めたり押したりすることで、下腹部の血行が改善され、生理痛の緩和に役立ちます。指で数秒間ゆっくりと押すケアを習慣にしましょう。また、日頃から下腹部を冷やさないようにすると、生理中の痛みや不調の予防にもつながります。

三陰交(さんいんこう)

足の内側のくるぶしの頂点から指4本分真上にあるポイントです(内くるぶしの直上あたり)。婦人科系の不調や生理痛の軽減に効果的で、多くの女性に親しまれてきたツボです。冷えの改善にも効果的で、夏場もクーラーでからだが冷えやすい方におすすめできます。下半身の冷えは生理痛悪化の原因にもなるため、三陰交を刺激して血の巡りを整えることで、不調の予防を目指しましょう。セルフケアとして両足の三陰交のツボをよく押すことを習慣に取り入れてみてください。

血海(けっかい)

膝のお皿の内側上部から指3本分上がった太ももの内側にあります。その名の通り「血(けつ)の海」という意味で、血の巡りを整える重要なツボです。生理痛はもちろん、下半身の冷えやむくみなどの症状緩和にも役立つと言われています。押してみて痛みや違和感を感じる場合は、その部分の血流が滞っているサインかもしれません。毎日やさしく刺激することで血行が促進され、症状の改善につながります。膝周りを温めて全身の血流を高めることも効果的です。

合谷(ごうこく)

手の甲の親指と人差し指の骨が交わるくぼみにあります。左右どちらの手でも押しやすく、外出先や仕事中でも手軽に刺激できるのが特徴です。このツボは全身の「気」を整える作用があり、生理痛だけでなく頭痛や肩こりなど幅広い不調に効果があります。自律神経のバランスを整え、日常のストレスケアにも役立つポイントです。反対の手の親指でゆっくりと圧をかけ、深呼吸しながら数秒間押します。強く押しすぎず、痛気持ちいい強さで刺激しましょう。

ツボ押しの効果を高めるコツ

ツボを押すときは、ポイントに対して指を垂直に当て、痛気持ちいいと感じる強さで刺激することが大切です。一つのツボにつき数秒間押したら、ゆっくりと力を抜く動作を繰り返します。呼吸も意識し、押すときに息を吐き、戻すときに吸うとリラックス効果が高まります。無理のない範囲で1日数回続けるとよいでしょう。毎日続けることで血行促進や痛みの緩和を実感しやすくなります。

ツボ押しを行う際の注意点

ツボ押しは症状の改善に役立ちますが、いくつか注意点もあります。まず、妊娠中や飲酒時、食後すぐなどはツボ押しを避けましょう。刺激が負担となり、体調を崩したり消化不良を起こしたりする恐れがあるためです。

また、ツボ押しを続けても不調が改善しない場合や、痛みが強く鎮痛剤が手放せない場合、あるいは異常な出血や発熱など他の症状を伴う場合は、早めに医師に相談してください。常に自分の体調をよく観察し、状況に応じてセルフケアと医療を上手に組み合わせましょう。

生理痛をやわらげる養生 — 取り入れたい生活習慣

からだが冷えると痛みや不調が悪化しやすいため、内側と外側の両面から温める工夫をしましょう。例えば、温かい飲み物やスープを摂ったり、しょうがや根菜類を使った料理を積極的に取り入れると、芯から温まりやすくなります。

また、腹巻きやカイロでお腹周りを温めたり、レッグウォーマーで下半身を冷やさないようにすることも効果的です。特に生理中は冷えに気をつけることで血流が良くなり、痛みや不調の予防につながります。

さらに、規則正しい生活を心がけたり過度なストレスを避けたりすることも、生理痛の緩和に役立ちます。特に睡眠の質は重要です。生活リズムの乱れや強いストレスはホルモンバランスを崩し、症状を悪化させる原因になりかねません。無理なくできる範囲で構いませんので、自分に合った方法でからだをいたわりましょう。簡単に実践できることから毎日の生活に取り入れてみてください。

まとめ

生理痛は決して我慢するものではありません。日々のセルフケアとしてツボ押しを取り入れることで、つらい痛みをやわらげて快適な毎日を目指しましょう。テレビを見ながらや仕事の合間など、ちょっとした時間に手軽にできるのもツボ押しの良いところです。継続することで、生理にともなう痛みや不調が軽減され、前向きな気持ちで過ごせるようになるはずです。

もしお悩みがなかなか改善しない場合や、いつもと違う強い症状がある場合には、早めに婦人科を受診しましょう。健康の維持には、セルフケアと専門家による適切なアドバイスが欠かせません。福岡市中央区天神にある野崎ウイメンズクリニックさんでは、経験豊富な先生が丁寧に相談に乗ってくれます。ぜひ、気軽に足を運んでみてください!

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この記事を書いた人

坂元 大海

坂元 大海

アークメディカルジャパン 代表取締役|理学療法士・鍼灸師・柔道整復師

整形外科での10年間の実務経験の後、アメリカ(UNLV)にてピラティスマスターライセンスを取得。治療実績は延べ10万人超。アークメディカルジャパン設立後は、鍼灸整骨院およびピラティススタジオの運営に加え、プロスポーツ選手や俳優といったアスリートのケア、講演や書籍の執筆を通じた後進の育成にも精力的に取り組んでいる。経営学修士(MBA)|近著『ツボ単(NTS)』『骨肉腱え問(NTS)』『ヤセル言葉(Lotus8)』

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