ヘルスケアコラム
2024/08/01
月経には、ストレスや食事、自律神経や身体活動量など、さまざまな生活要因が関わっていることを前回のコラムでお伝えしました。
私たちのからだはホルモンの変化とともに月経周期に合わせて変化しています。よって、月経痛やPMSの対策をするには、できるだけその変化に合わせたエクササイズや運動を行うことが大切です。そこでまずは、それぞれの周期の特徴を見ていきましょう !
月経周期は、大きく分けると3つの時期に分けられます。
それでは続いて、各時期におけるからだの変化を踏まえた、それぞれの時期に適切なエクササイズや運動をご紹介していきます。
あまり運動には向かない時期ですが、できることはあります ! 呼吸や水分、血の巡りなどといった循環を良くし、スムーズな排血を行わせたいこの時期には、リラックスできるようなゆったりとしたエクササイズや運動がおすすめです。
まず、背筋を伸ばして座ります。次に肋骨を横に拡げるように鼻から息を吸い、口から息を吐きます。吸うときは4カウント、吐く時は8カウントを意識して行いましょう。座って行うのが辛い時には、寝た状態で行っても構いません。
月経期に硬くなりやすい筋肉に、臀筋群(お尻の筋肉)、腰方形筋(ウエストの筋肉)、腸腰筋(股関節の前にある筋肉)があります。この筋肉をテニスボールやストレッチポールで優しく刺激して、ほぐしてあげましょう。
膝を立てた状態で床に座って、後ろに手をつきます。そのまま膝を左右に倒すことで股関節の可動性がUPします。左右に10回ずつ倒しましょう。
気持ちも体調も上向きになる時期です。この時期には、子宮などの内臓を支える体幹・筋肉を鍛えるトレーニングなど、より活動的な少し負荷のかかるようなエクササイズや運動がおすすめです。
四つ這いになります。そこから右の膝を外に開いた姿勢をつくります。そのまま10秒間キープします。骨盤が左側に倒れないように意識して行ってください。次に左膝を外に開き、10秒間キープします。骨盤が右側に倒れないように意識して行いましょう。
うつ伏せになって両肘をつきます。肘で床を押す力でからだを持ち上げます。そのまま15秒間キープしましょう。呼吸は自然呼吸で息を止めないようにしてください。次に左右のプランクを行います。右肘をつき、肘で床を押す力でからだを持ち上げます。そのまま右の体側で体を支え、15秒間キープします。左側も同様に行います。
イライラや過食などのPMS症状が出てきやすい時期のため、心身ともにリフレッシュできるエクササイズや運動がおすすめです。特に月経直前は、できるだけ体がリラックスできるように心がけましょう。
正座で床に座ります(難しい場合は椅子に座ります)。左手を床(座面)につき、左側に体を倒して右手を横から大きく回して斜め上方向へ伸ばし、右側のウエスト部分をストレッチします。伸ばしたまま大きく3回呼吸をして、元の姿勢に戻ります。左側も同様に行います。
膝立ちの状態から右膝を立て、そのまま前に体重を移動させます。左側の股関節の前が伸びるため、そのまま大きく3回呼吸をして元の姿勢に戻ります。足をチェンジして同じように右側も伸ばします。
椅子に座り、右膝を左の太ももの上に置きます(右足だけあぐらのような状態)。そのまま、お尻を後ろに突き出しながらからだを前に倒します。右のお尻の筋肉が伸びるためそのまま大きく3呼吸して元の姿勢に戻ります。左側も同様に行います。
猫のポーズでは背中を丸め、牛のポーズでは背中をそらします。四つ這いになり、猫が怒った時のように背中の真ん中あたりから斜め後ろ側に引っ張られるように背中を丸めたら、続けて背中の真ん中あたりを反らします。猫のポーズと牛のポーズはセットで3往復行いましょう。
朝の太陽を浴びながら、緑道を歩くことでセロトニンが分泌されやすくなり、心身ともにリフレッシュできます。気持ち良いなと感じるような、心地よいリズムのペースで歩くことがポイントです。
月経痛やPMSの対策となる月経周期に合わせたエクササイズや運動、いかがだったでしょうか。日頃から簡単に取り入れられるものを中心にご紹介しましたので、ぜひ実践してみてください。
1.日本産婦人科学会:産科婦人科用語集・用語解説集改定第4版.日本産婦人科学会編,日本産科婦人科学会事務局,東京,2018.
2.鈴木郁子.やさしい自律神経生理学 命を支える仕組み.中外医学者;2015.
3.医療情報科学研究所.病気がみえるvol.9-婦人科・乳腺外科第3版:メディックメディア;2015.
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