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福岡天神の産婦人科 野崎ウイメンズクリニック

Column 78

2021/07/28 21:10

三省と五省

 大手出版社の三省堂は有名ですね。この三省というのは、論語の「われ、日にわが身を三省す」から来ています1)。大河ドラマ「青天を衝け」の主人公渋沢栄一の座右の銘としても有名な言葉です1)。

「われ、日にわが身を三省す」の意味は、「私は毎日何回も自分の行いについて反省している。人の相談相手になって真心を尽くしていたか。友達と付き合って嘘をついていないか。自分が理解できていないことを人に伝えたり教えたりしていないか」1)。

 これは、現代の私たちにも必要な日々のチェックポイントです。忙しさのあまり人の相談相手にもなれず、相談相手になっても真心を尽くす時間もなく、友達と付き合っても距離をおいたり、自分が理解できていないことを曖昧に伝えたり伝聞形式にしてみたり、思い当たることはあります。

 この三省と同じような言葉に海軍五省というのがあったそうです1)。誠実さに背いていなかったか。言行不一致なことはなかったか。精神力に欠けることはなかったか。努力は充分におこなったか。怠けてものぐさになっていなかったか。ホームラン王の王貞治さんは、この海軍五省を毎晩声に出して読み自分自身を振り返っていたそうです1)。

 三省も五省も、毎日反省することばかりですが、渋沢栄一や王貞治さんのようなその道の一流の人たちに共通することは、毎日の反省を明日へと活かしていったということでしょう。毎日の少しの積み重ねが、明日の自分を少しだけ成長させることを、わかっていても継続して実行できないのが凡人だということでしょうか。

■引用・参考文献
1)https://ameblo.jp/terakoya168/entry-11409245110.html

この記事を書いた人

野崎 雅裕
野崎 雅裕野崎ウイメンズクリニック 院長
福岡市天神の産婦人科、野崎ウイメンズクリニックの院長。女性医学の専門医として、九州大学病院などにおいて、思春期から更年期女性のホルモン療法や不妊治療、漢方療法、月経痛や女性のこころとからだの悩みに関する医療に長年従事。ホルモン療法やピルの使い方、月経痛の対処法や月経移動の説明にも精通した熟練スタッフとともに、すべての患者様へあたたかいケアを行っている。
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