Column 63
2020/10/01 18:00
インフルエンザが全国で猛威を振るっています。2019年は大流行といってもいいくらいの規模です。私も従業員も毎年インフルエンザ予防ワクチンを接種していますが、今年は患者さんの中にもインフルエンザ予防ワクチン接種したのにA型にかかりました、風邪かと思ったらインフルエンザでした、と言われる方が多いようです。
インフルエンザの原因となるインフルエンザウイルスは、大きく分けて、A型、B型、C型の3つに分類されます。このうち、「季節性」のインフルエンザとしてヒトの間で毎年流行を繰り返しているのは、A型のA/H1N1型(ソ連型)とA/H3N2型(香港型)、そしてB型のウイルスでした。しかし、2009/10シーズンではパンデミック(世界的大流行)を引き起こした新型インフルエンザウイルスがほぼ100%を占めていたことが報告されています1)。
普通の風邪は、発症後の経過がゆるやかで、軽度の発熱、のどの痛み、鼻水・鼻づまりなどの症状が主にみられます。ところが、インフルエンザは普通の風邪とは異なり、突然の38℃以上の「高熱」や、関節痛、筋肉痛、頭痛などの他、全身倦怠感、食欲不振などの「全身症状」が強く現れるのが特徴です。また、インフルエンザは、肺炎や脳炎(インフルエンザ脳炎)などを合併して重症化することがあります1)。
インフルエンザ脳炎の可能性がある事例も報告されています2)。小学生がマンションから転落して負傷したり、ホームで電車を待つ列の先頭に立っていた女性がふらついて線路に転落して亡くなったりと悲惨な事故も報道されています。この女性はインフルエンザに感染していたことが後で分かりました2)。手洗いを励行し、ワクチンによる予防を行い、感染したら治療薬を使って自宅で安静にするのが一番のようです。
■引用・参考文献
1)https://www.influ-news.info/influ/
2)産経新聞平成31年(2019年)1月24日(木)24面
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