Column 57
2020/07/01 18:00
1987年から2年間米国で研究生活を送りました。研究室では電気生理学実験を行っていました。主任教授はギリシャ出身の米国人で、研究者は米国人はもとより、日本、香港、など世界各国から集まっていました。その中に一人エジプトから来た研究者がいました。名前が私と似ていたので「日本人かい?」とからかわれていました。
そのエジプト人の彼は、エジプトの休日が金曜日であるため、アメリカの土日週休2日と合わせて、毎週、金・土・日の週休3日を頑なに守っていました。周りの研究者たちからは「そんなに休んで実験データが出るのかね〜」といぶかしがられていました。彼にとって、毎週木曜日は週末になるのです。
アラブの国々では、「木・金」を休日とすることが多いようです1)。アラブの大国エジプトは「安息日」の金曜を中心に休み、業界によって「木・金」であったり、「金・土」であったりするようですが、近年は後者の「金・土」派が多くなっているようです1)。
「休日変更」を提起したサウジ政府の研究会によると、木曜の休日によって貿易決済や金融取引ができないため、およそ10億㌦の逸失利益があると言われ、「年間48日の木曜休日は、1カ月半のビジネスデーが失われること」と、「木・金休日」による経済的損失が強調されています1)。
日本では日曜は「公休日」程度の認識だが、一神教世界の休日は神が定めた安息日なのです。イスラム世界はとくに厳格なユダヤ教徒ほど厳しくはないようですが、安息日の金曜は集団礼拝が定めであるそうです1)」。あのエジプト人研究者も金曜日は実験室ではなくモスクで集団礼拝していたのでしょうか。
■引用・参考文献
1)http://www.energy-forum.co.jp/eccube/html/user_data/clm_saishu.php?num=86
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