Column 328
2025/10/07 18:00
一日一食ダイエットとは、1日の食事回数を1回に制限するダイエット法のことで、朝食・昼食・夕食のいずれか1回のみ食事を摂り、その他の時間帯は水分補給などを行う方法です。摂取カロリーを大幅に減らせるため、短期間での体重減少効果が期待されますが、様々な危険性があります1)。
極端な食事制限によって「飢餓状態」に陥ると、生命維持のため、からだは脂肪を蓄える体勢を取ります。また、タンパク質が不足する状態が続くと、筋肉量が減少して基礎代謝が低下し、痩せにくく太りやすい体質になります。さらに、筋肉量の低下が著しい場合は「フレイル=加齢による心身の機能低下」や「ロコモティブシンドローム=立ったり歩いたりする身体能力の低下」になる可能性もあります。
一日一食ダイエットでは、どうしても水分や食物繊維の摂取量も少なくなりがちです。とくに水溶性食物繊維やマグネシウムの不足は腸の蠕動運動を鈍らせ、便秘を引き起こします。食物が胃に入る際に起きる胃・大腸反射が減ることも便通に悪影響を及ぼします。便秘が続くと、肌荒れや腹部不快感、集中力の低下などが起こるばかりでなく、腸内環境の悪化による免疫力低下にもつながります。
しかも、空腹が長時間続いた後に大量のエネルギーを摂取することになるため、血糖値が急上昇し、インスリンが多量に分泌されて、糖は脂肪として蓄積されやすくなります。血糖値の急上昇・急降下を「血糖値スパイク」と言います。血糖値スパイクは血管を傷つけて動脈硬化を促進し、心疾患・脳卒中などのリスクを高めるため、生活習慣病の要因になる現象です。
米国国民健康栄養調査では、朝食を抜く人は心血管死リスクが40%、昼食や夕食を抜く人は全死亡リスクが12~16%、3食のうち2食の間隔が4.5時間以内の人は全死亡リスクが17%高いことなどが分かっています2)。
危険が伴う過激なダイエットはおすすめしません。健康的に痩せるためには、栄養バランスを意識した規則正しい3度の食事、有酸素運動や適度な筋トレ、良質な睡眠を心がけましょう。
引用・参考文献
1)https://www.nas-club.co.jp/magazine/nutrition/one-meal-per-day/
2)https://sndj-web.jp/news/002156.php
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