Column 327
2025/09/23 18:00
オクトーバーフェストは、9月半ばから10月上旬にドイツ・バイエルン州の州都ミュンヘンで開催される世界最大規模の祭りです1)。その歴史は古く、1810年以来、ミュンヘン市内中心部の広大な広場で催されています。毎年約600万人もの人々が参加するそうです。
会場となるのは42ヘクタールと東京ドーム9個分に相当する面積の広場です。毎年数週間かけて巨大テントや移動式遊園地が設置され、フェストの後は撤去されます。遊具、お化け屋敷、食べ物屋などが並びますが、祭りの中心はビールを出す「ビールテント」です。
開催初日には、ミュンヘン市長と市章のついたマントを着た女性が馬に乗り、ビヤ樽を積んだ地元のブルワリーの馬車を率いるパレードがあります。正午に市長が最初のビヤ樽の栓を開け「酒が出たよ!」と宣言することで正式に祭りが始まります。
オクトーバーフェストは、1960年頃には世界的に広く知られるようになりました。近隣諸国、日本、アメリカなどから訪れ、フェストに参加した観光客が自国に広めたとされています。
私は、1987年から2年間、アメリカ中西部オハイオ州のシンシナティという都市で留学生活を送りました。シンシナティはドイツからの移民が多い街で、大きなオハイオ川をはさんだ対岸には、同じくドイツ系の人々が暮らすコビントンという街があります。
そのコビントンでもオクトーバーフェストが催されていました。たくさんの人々が大いにビールを飲んで、ザワークラウト(キャベツの酢漬け)や大きなソーセージを食べて楽しんでいる姿が記憶に残っています。
日本でも、オクトーバーフェストの季節がやって来ました。本場ミュンヘンのような1リットルのビアジョッキは空けられませんが、「お疲れ生(なま)」と、いつものビールを楽しみたいものです。
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