Column 325
2025/09/02 18:00
国際地球回転・基準系事業および米海軍天文台によると、2025年7月10日は今年の最も短い日となったそうです。この日は標準的な1日(24時間) よりも1.38ミリ秒短かったと発表されました。
1日の長さが短くなる原因は地球の自転速度の上昇です。自転速度は、地球の周りを周回する月からの引力によって変化します。月が赤道に近づくときは遅くなり、極地に近づくときには速まります。
原子時計による時間管理が始まったのは1955年からですが、これまでにも1 日の時間が短い日は何度か記録されています。しかし、地球の自転速度は、太古の昔にはずっと速かったようです。
恐竜時代末期の貝殻の分析によると、7000万年前の1日の長さはわずか23.5時間でした。さらに、約4億3000万年前の化石化したサンゴを調べると、当時は1日が21時間しかなかったそうです。それからすれば、今年の夏に観測された「短い日」は長い方だといえます。
1日が長くなることで生まれる時間のズレが積み重なった場合には、追加で1 秒を挿入する「うるう秒」という調整が行われ、1972年以降これまでに27回にわたって挿入されてきました。ところが、現在は地球の自転速度が上がっているために、史上初となる「マイナスのうるう秒」が適用される可能性が出てきています。
「うるう秒」はこれまでに、コンピューター、GPS、通信システムに多大な影響を及ぼしてきました。そこに、前例のない「マイナスのうるう秒」が実施されれば、タイマーやスケジューラーに依存しているソフトウエアには壊滅的な影響がでるおそれがあると米メタ社のエンジニアが警告しています。
引用・参考文献
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/25/072300406/
https:// www.cnn.co.jp/fringe/ 35191663.html
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