Column 324
2025/08/12 18:00
8月の呼び名として「葉月(はづき)」があります。これは旧暦の8月、今の暦でおおよそ9月を表しています。8月といえば真夏のイメージですが、8月7日ごろに「立秋」を迎えることもあり、暦の上では秋が訪れる月なのです。
夏の暑い時期に送るのが暑中見舞いですが、これは二十四節気の小暑(7月7日頃)から立秋の前日にかけて送るのが通例とされています。立秋から8月末ごろまでに届くように送るのが残暑見舞いになります。実際の暑さよりも暦が基準になっているのです。
立秋を過ぎても残暑は厳しいですが、次第に暑さが落ち着いていき、わずかながらも秋の気配が感じられる時期でもあります。
葉月の語源にはいろいろな説がありますが、いずれも秋に関係しています。一般的には、木の葉の紅葉がすすみ、葉が落ちる月「葉落ち月(はおちづき)」が略されたものといわれています。また、稲の穂を張る月、すなわち「穂張り月(ほはりづき)」が略されたという説もあります。
また、旧暦8月といえば、なんといっても中秋の名月です。そこで、8月は「月見月(つきみづき)」ともよばれています。そのほか、木々が紅葉をはじめる時期であることから「木染月(こぞめづき)」、「紅染月(べにぞめづき)」、などとも呼ばれ、いずれも秋らしい風流な異名ですね。
渡り鳥の雁は、シベリアなどから秋に日本に渡って来て、春に北に帰ります。そのため、8月を「雁来月(かりくづき)」ということもあるようです。雁の季語は、秋と春に分かれていて、秋は「雁渡る」が、春は「帰雁」や「帰る雁」が用いられます1)。
葉月に小さな秋を見つけてみてはいかがでしょうか。
引用・参考文献
1)https://kigosai.sub.jp/001/archives/2607
https://weathernews.jp/s/topics/202007/200175/
https://www.post.japanpost.jp/culture/howto/summer/index.html
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