Column 310
2025/04/08 18:00
お釈迦様は紀元前5世紀ごろ、現在のネパールのルンビニで誕生したと言われています1)。その誕生日は4月8日とされ、現在寺院ではたくさんの花で飾った花御堂(はなみどう)を作って祝うことから、お釈迦さまの誕生日は「花まつり」と呼ばれています。
そんな大昔のことがなぜ分かったかというと、1868年にドイツ人の考古学者アロイス・アントン・フューラーがネパールの南部で遺跡を発見したことに遡ります。そこで出土した石柱に釈迦の生誕地がネパールのルンビニの花園であり、誕生日は4月8日であったことが刻まれていたのです。
釈迦の誕生を祝う仏教行事は「灌仏会(かんぶつえ)」と言われ、降誕会(ごうたんえ)、仏生会(ぶっしょうえ)、浴仏会(よくぶつえ)、龍華会(りゅうげえ)、花会式(はなえしき)などの別名もあります。
花まつりという言葉は、1916年に日比谷公園で行われた釈迦の誕生日法要をそう呼んだのが最初とされているようです。さまざまな草花で飾った花御堂の中で、甘茶を満たした灌仏桶の中央に安置した誕生仏像に柄杓で甘茶をかけて祝う法要が行われました。
花まつりの起源は、意外にもドイツにあるという話もあります。財団法人国際仏教文化協会の「ヨーロッパに広がるお念仏」という書籍によると「1901年4月、当時ドイツに留学していた日本人18人がベルリンのホテルに集まって誕生仏を花で囲み、仏陀生誕を讃えるBlumen Festを開催した。会には300人以上のドイツ人が参加して大いに盛り上がり、後にこのニュースが日本に伝えられ、灌仏会を花まつりと呼ぶようになった」という記述があります2)。
日本では、桜の開花時期にあたり、おめでたいお釈迦さまの誕生日を祝う花まつりは時節がらピッタリのお祭りなのではないでしょうか。
引用・参考文献
1)https://ja.wikipedia.org/wiki/釈迦
2)https://ja.wikipedia.org/wiki/灌仏会
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